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2020/07/06

2020年(令和2年)7月号

2020_7月号表紙_convert_20200706011357
題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
7月号 表2_convert_20200725161950


2020年(令和2年)7月号
☆研究 □遊行上人   -古典の小径136―...外村展子
      □尾上柴舟のうた232       ‥‥岡田寿子 近藤史郎 山本光珠 
      □内面客観の道をたずねて125    …大垰敦子 澤田久美子 村上山治 川口浩子
                         月原芳子 廣本貢一 吉田征子 勝地健一
    □近現代歌人の一首(松村正直)   … 森ひなこ
      □【異文化essay】31SDGs (持続可能な開発目標)…田中淳子             
      □佳品嘆美*142〈万葉集〉〈島木赤彦〉…山本光珠 宮崎孝司
☆作品評
☆再録 □真樹の曙―旧号抄録157               
     山本康夫のノートより              表見返し
     真樹のうたびと   山本康夫 壽岡里容     表見返し
     □他誌抄録105 
☆記  □真樹サロン短歌会記96         中村カヨ子
     □後記
ご案内-2020年7月—
  真樹サロン
   日時 7月26日(日)10時~  協力
             13時~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会者は不要)
   出詠 1首を担当者 福光譲二まで(SMS可)
   締切 7月15日


山本康夫の歌――2020年(令和2年)7月号
時くれば成りてうれつつトマトの実この旱(ひでり)にも汁したたらす
朝畑に立ちてもぎ食ふトマトよりしたたる汁は手を伝ひ落つ
本降りとなれる雨かもよろこびの心をゆりて今宵眠れず
降り足らふ雨の音かもかはきしるきわが畑も雨をむさぶり吸はむ
降り足りて黒くうるほふ畑土に力のかぎり鍬うちおろす
『麗雲』(昭和二十二年刊)――土とともに(昭和十四年作)
☆追悼録
 後藤祝江氏追悼    水田ヨシコ 古澤和子  勝地健一
                吉田征子  石井恵美子 山本光珠
                新井邦子
  20首抄(2020年6月号より抄出)
古き文の「あいたいですね」の温かき文字に揺らぎぬ今の心は     吉田ヒロミ 
たからものひとつ消えにけり仰ぐもの真直(す)ぐであることくれしあすなろ     吉山 法子
「いのち一ぱい咲く」と詠みたるかの子思う一樹に耀(かがよ)うさくら仰ぎて    米田 勝恵
ウイルスに占領されし地球の上(え)にスーパームーンはこうこうとあり   榎並 幸子
不確実な明日に向き合うコロナ鬱(うつ) 満山の桜をセーターに編む    大垰 敦子
在りし日に夫と仰ぎし八重桜ひとり見入りてあれば舞い散る      大津タカヱ
コロナにて行事にわかに変われども卒業生には延ばし代なし      岡田 節子
リバイバル映画のなかに時をみる隣の席を空けたままにて       勝地 健一
つばめらの孤を描く空眺めつつ低く草引くコロナ禍の春        金尾 桂子
樹(き)のごとくなりたきわれもほぐれゆく羊歯(しだ)の胞子も月夜のものよ  黒飛 了子
平行線たどるばかりの言ひ合ひにやうやく妥協が割り込みてくる      廣本 貢一
四時起床昨日の夢は今日となる地球が回る速さのなかで          佐々木孫一
積む本のあれば心の安らぎぬ腕(かいな)とられて身を沈めたり       笹田四茂枝
いずこなる庭に沈丁花は香る御(み)寺の知らせを配りゆく道        高本 澄江
久々に庭に出(い)でたるイタチの子我と目が合い葉かげへ速き       永井 妙子
「アララギ」の歌詠み人(びと)の大叔母の歌集『葦の間の川』詠み継がん  中谷美保子
ため息の沁(し)みる独り居 氷雨ふる夜は思い出に抱(いだ)かれ眠る     中村カヨ子
文を書き詩に転じまた山多き短歌の道にまぎれ歩めり           鍋谷 朝子
一肌ぬぐことはよそでもできるとも生まれたここで大決心する       的場いく子
四肢麻痺 (まひ)の回復いかに妻はただリハビリに励む笑顔とともに     村上 山治

2019/09/01

山本康夫の歌ー2019年(令和元年)9月号

    『広島新象』(昭和34年刊) ―高野山(昭和28年作)―

     老木々の小暗きもとを行き行きてつくづく聞けり山坊のかね
     一寺の鐘鳴りおわるころ打ち揺れて山上の鐘また鳴りいずる
     山川をとび渡る時砂白き水底を這う蟹がうつくし

2019/08/01

山本康夫の歌ー2019年(令和元年)8月号

    『麗雲』(昭和22年刊) ―歌の道(昭和21年作)―

     歌の道にこりゆく命見つめてはつたなき嘆きかへすいくたび
     歌に向ふこころはあつくなりゆけどその作(な)る歌に足ることもなし

     いたれりし大人(うし)らの道はひびけども仰ぐにきびしその歌ごころ

     歌の上にまことをこめてあるといふ思ひがわれの生(よ)を荘厳す

     わが力おぼつかなしと知るからに心つくして歌は詠むべし

2019/06/27

山本康夫の歌ー2019年(令和元年)7月号

   『朝心抄』(昭和23年刊) ーをりをりにー 

     かがまりて吸殻拾ふみにくさも見なれて相応(ふさ)ふ民族となる
     吸殻を拾ふ幾人見てきたる暗き思ひがしばらく消えず
     運強く生きのびしことを語るときわれの心によどむ消極性
     ひた押しに押されてつひに譲りしが暫し持てあます心の滓(をり)
     利己心も伴ひてのぶるわが論理押へがたなきほどの熱もつ
     いひたきこといひてしまひて憤り和みゆく時己れ小さし

2019/05/30

山本康夫の歌ー2019年(令和元年)6月号

  『まきのや抄』(昭和51年刊) ー長崎 (昭和50年作)

             青村居の歌の集いに通いたる辺り見下ろす今のうつつに      茂吉高弟土橋青村
             生まれ来て歌知りしこと思おえばわれに長崎ありまた茂吉あり
             茂吉大人常来し寺ぞ五十年を隔てて福済寺の石段のぼる 
             本堂のなきまま大き中門の朱もあざやかに唐ぶりの寺
             原爆に壊えて伽藍なき唐寺の背戸に瓦のかけらを拾う