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2024/01/19

2024(令和6年)2月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏 
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06011904目次右_convert_20240119140541
06011907佳品嘆美_convert_20240119140634
2024・2真樹の歌人_convert_20240127195909
06011902裏表紙_convert_20240119140655


06011905曙_convert_20240119141823
06011906曙裏_convert_20240119141847
2024・2後記_convert_20240125143329
     20首抄(2024年1月号より抄出)

だんだんと光と空が青くなる春の時間はゆっくり過ぎる  西本光仁
落ち込みし時は「真樹」誌選び読む気づけば真樹の泉に浸りぬ  水田ヨシコ
ふるさとへ六十分の空の旅雪の少ない富士をまたぎて  宮本京子
ひとたびは風を知りたる土塊(くれ)をマンション直下生き埋めにする  森 ひなこ
十五夜を君いずこにて眺むるや秘めし想(おも)いをうさぎに語る  山辺洋子
北上川の放射冷却ゆえという霧みつつ飲む熱きコーヒー  山本真珠
朝焼けは素足となりてわが向かわんアポロンの神の光あふるる  新井邦子 
阿武山に朝日の照れば紅葉映ゆ五彩の色にかがやく肌え 石井恵美子
仕方ない何とかなると言いながら心静めて仏間に座る  畦 美紀恵
松の木に精は宿るか去り難く「松に習え」の芭蕉を思う  大越由美子
酔芙蓉咲けば娘のごとくなり白よピンクよひかり輝く  大西博臣
繁茂する庭の足もと整うれば清風抜けて花も生き生き  岡田節子
戦禍の子の声なき声も詠み込んで世界に伝えん大和心で  栗林克行
聞くことに徹せんとしてあめ玉を共にほおばり相談を受く  栗原美智子
がむしゃらに仕事追いゆく顔捨てて幾日か良妻賢母の顔たり  黒飛了子
枠なしに過ごしたき日をきめられた三十一文字(みそひともじ)とう美形にはまる  佐藤静子
旱夏(ひでり)踊るホースに妻しゃぐ光る水玉潤おう樹々(きぎ)よ  椎野祐治
ただいまと待つ人の無き家に告げ五人家族の幻は見ゆ  隅出志乃惠
人の世に質草として拉致さるる民の哀れに心痛めり  滝沢 韶一
文明の十字路見んとプラン立つれど円安続き夢は遠のく 田中淳子

2023/12/20

2024(令和6年)1月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
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a20241目次左_convert_20231220100424
a20241表3_convert_20231220100344
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  20首抄(2023年12月号より抄出)

友逝きて夕べの散歩その方に入道雲が入り日をおおう  高見俊和
聖書講読と短歌作りはわが支えその深遠さ未到の道よ  滝沢韶一
オリーブの緑の木の葉は守るごと丸き実あまた風と育てぬ  中元芙美子
厚切りのトースト注文モーニング午前10時の香り確かめ  西本光仁
立ち止まり過ぎに過ぎたる時思うあれこれ背負いなお急ぐ身の  原 佳風
年月の早く過ぐるを語りつつ彼岸の中日父のみ墓へ  廣田怜子
空の上(え)で元気でいるかと骨つぼに耳当ててみる猫の命日  弘野礼子
薬効で痛みやわらぎ思考へと展(ひろ)がりてゆくベッドの中で  松井嘉壽子
子はわれにあまた助言し念を押しお盆にまたと靴べら置きぬ  水田ヨシコ
コレクション見終えて駅に向かう道坂道続く東京の道  宮本京子
蜩(かなかな)よきみより先に逝きし人の歌をまたもや口ずさみしよ  森 ひなこ
中秋の名月 満月と重なれり月かげさやけくふりそそぐ街  柳原孝子
お互いの心の中に秘しおかれよ人目にさらさば汚き不倫  吉田ヒロミ
灸(きゅう)据うる母の背中の百草(もぐさ)の火幼きナイトのごと見守りき  吉田征子
朝起きて始めの一歩は短歌詠むそれが満たされ心落ち着く  杏野なおみ
帰省子は台風の行方気にしつつ月光仮面のごと戻りゆく  大越由美子
同窓会で近況報告述ぶるわれ悔いあらずやと問う視線受く  岡田寿子
散りそむるわが魂のこの痛み風に飛ばせよ病棟の桜  勝地健一
リズムよくかわいた木の音(ね)ひびきおりキツツキいるや静(しず)宮の杜(もり)  栗原美智子
燔(はん)肉を捧げるすべもなき身なれ真昼落ち葉を焚(た)く火に寄れり  黒飛了子

2023/12/01

2023(令和5年)12月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
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a202312表3_convert_20231201100255
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     20首抄(2023年12月号より抄出)

遮光器をまとう土偶の愛らしき目線の先の暮らし生きづく   勝地健一
板の間にそうめん瓜ぬくもれりまだまだ暑き夏の夕暮れ    金尾桂子
黒き梁遺(はりのこ)せる蔵の女(おみな)出す春色だんごで休めとぞいう  金子貴佐子
旅の途にモネがキャンバスを立てて描きし奇岩にくだけるこの波のさま  川口浩子
仕事終えキャベツ抱える友の手の指輪の跡はすでに消えおり  木村浩子
七夕を明日に控えて思ひ出すシャガールの空に浮かぶ二人を   澤田久美子
去年(こぞ)逝きし佳人しのびて文箱に眠る筆跡また読み返す   竹添田美子
下駄箱に亡き夫の靴いまもなお艶保ちおり捨てられぬ奇怪  龍野日那子
料理とは言えぬものでも二人して食(は)めば笑みつつおいしさを言う  富田美稚子
子ツバメに虫やる親は朝早く順番たがわずわき目もふらず   豐田敬子
テレビ消し黙して食べる夕食にあかりを灯(とも)す虫の鳴き声   西本光仁
気が触れし人のじぐざぐ行く影よ秋風吹いて濃く薄く揺る   原 佳風
緑道の朝あおむけに蟬逝けり何一つ此(こ)をおくるものなく   村上山治
死者送り空をあふげば天空のわがメトロノームの振り子早まる   森 ひなこ
ため息をもらさんほどの喜びも悲しみもなくひと日すぎたり  森重菊江
風入れの風に覚めゆくわが生家いかにしなさん父母はたちつつ   吉田征子
海行かばの曲にはじまるラジオにて同胞たおれし記憶は消えず   石井恵美子
朝(あした)からいちずに鳴く蟬あちこちに過疎の田舎のにぎやかな夏   畦 美紀恵
江戸の世のもの移築せし「長多喜」は外国人の宣(うべ)し的とぞ   榎並幸子
人という「もの思う生」を宿したる天体ひとつ悲しかるらん   大瀬 宏
2023/10/06

2023(令和5年)10月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
2023・10目次_convert_20231006202706
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2023・10表2_convert_20231006202757

20首抄(2023年9月号より抄出)

三十分止まりし市電の中にてもサミットの無事を希(ねが)いし市民   柳原 孝子
夜は青に点(とも)すdiffuser香らする精油に母の里の杉みゆ   山本 真珠
満開の花を見上げて我知らずほほえみいるをまたほほえめり    吉田ヒロミ
青嵐忌思い伝えん歌友らへ両手に庭の千草を摘めり   新井 邦子
核ボタンたずさえ動く人もあり疑心暗鬼の人の世悲し    石井恵美子
最後までの自宅介護を貫けず投げ入れられた浮き輪をつかむ    大垰 敦子
かなわねば足の指にて綴(つづ)りこし我が青春のあまたの歌よ    木村 浩子
ゆく方のひとつ嘆きや伝書鳩ひかりをひきて現(うつつ)を截(き)らん    黒飛 了子
今を生きる我らの幸を守らんとまなざし注ぐ空仰ぎ見る   隅出志乃惠
溝掃除長ぐつはいて鋤簾(じょれん)にて掬(すく)えば小亀冬眠中か   高見 俊和
在天の神ははるばる空駆けて命の基届くるならん   滝沢 韶一
内面の祖父の葛藤知る我に寄り添い訪(と)いくる肉親の愛   竹添田美子
五感のうち消滅なきは臭覚のみいよよ野生の生きみたまかな   月原 芳子
呼び出し音十五数えつつ耳澄ますひざ病む姉の受話器とるまで   豊田 敬子
諸用あり来客多き日常の今朝しとしとと春雨(しゅんう)の恵み   中谷美保子
赤色が似合うと言ってくれし歌友 そのワンピースを衣替えせり   中村カヨ子
春耕のトラクターの音あちこちに始動させたる農夫みな老ゆ   廣田 怜子
泰然と構えて今日も阿武山は夕日のなかに我と向き合う   村上 山治
あまりにもバラ美(は)しければこの中にとけ込めずいるわれを知りたり  森重 菊江
この暑気のなか朝夕を夫による野菜の手入れありて感謝す       守光 則子
2023/09/03

2023(令和5年)9月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
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R5・9表3_convert_20230903094806
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  20首抄(2023年8月号より抄出)

夜上がりの雨滴のこして道までを伸びるツタカズラよけつつ歩く  松井嘉壽子
カーテンゆ透けて見えたる満月のおぼろおぼろに早苗田てらす   松尾 美鈴
葉桜に耳欹(そばだ)ててさえずりのありかを探しゆく並木道   水田ヨシコ
黒い雨の健康被害知る由なくブラウスの洗濯に心くだきし   柳原 孝子
この沖を人磨行きしと思いつつ息深く吸う藤江浜の辺   吉田ヒロミ
「幸せ」と見上げる空が美しくただただ、それが幸せ曜日   杏野なおみ
晴天にキラキラ光る新緑は風にまかせてそよそよと揺る   畦 美紀恵
新しく土を作ると鍬(くわ)入れつつ良き汗流し春を待つなり   及川  敬
貧困はいずれにありや「物もたぬ」「心を持たぬ」いずれにありや   大瀨  宏
「断捨離」をわれは宣言せるものを花談義ののち一鉢受けつ   岡田 節子
今日だけは誰にも告げじ百合の木の初花の黄の揺るるをながむ   金尾 桂子
いい人生だったと思う今のまま後期高齢者として歩まん   栗原美智子
肉体に花咲きし日をたたえなん蜂の唸(うな)りのまつわるときに   黒飛 了子
寒のもどり重ね着するもトネリコにひよどり群れ来やはり春は春   佐藤 静子
しづけさの生まるる朝よ雨過ぎし楢の林に滴光れり   澤田久美子
孤独にも様々な色あるならん赤きジャッケット今日は着て出(い)ず  田中 淳子
訃の届き連絡せざりしことを悔ゆ影をしのべば青嵐吹く   中村カヨ子
ヘリが飛ぶ警備のさなか主婦として毛布を洗い日の恵み受く   中元芙美子
催花雨をうけて生きかえる鉢の花独り眺めて飽かぬ思いす   延近 道江
パソコンの画面を離れわれの目は壁を這(は)いいる蜘蛛に和らぐ  弘野 礼子