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2020/11/27

2020(令和2年)12月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
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2020年(令和2年)12月号
研究  一生涯、三従すべて欠く―古典の小径141―      外村展子
尾上柴舟のうた 237        澤田久美子  福光譲二 山本光珠  
    内面客観の道をたずねて 130     石井恵美子 柳原孝子  高本澄江 西本光仁
                 野坂昭雄 吉田ヒロミ 勝地健一 上田勝博                     
    近現代歌人の一首〔一ノ関忠人〕 近藤史郎
    【異文化essay】34 The Sagurada Familia(サグラダ・ファミリア) 田中淳子 
    佳品嘆美*147〈万葉集〉〈斎藤茂吉〉     山本光珠  大瀨 宏
作品評
再録  真樹の曙―旧号抄録162-
    山本康夫のノートより   
    真樹のうたびと 山本康夫/釋迦葦美 
    他誌抄録 110
記   真樹サロン短歌会記 101  新井邦子       
    後記

ご案内 -2020年12月-
真樹サロン
   日時 12月20日(日)10時~  協力
               13~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会の場合不要)
   出詠 1首を担当者 新井邦子まで(SMS可)
   締切 12月15日


  20首抄(2020年11月号より抄出)                                  
「黒い雨」勝訴判決下れどもなお喜びの日へ途上なり         中谷美保子  
墓掃除したる我らと同乗し蚊はいつまでもわれにまとわる       中元芙美子
病室ゆ見下ろす平和公園の原爆式典に総理出(い)でます        平本 律枝  
初めての短歌教室やわらかき四つの瞳われを迎える          弘野 礼子
突っぱねること多き乾いたハートにも味方だからなの言葉沁(し)みいる   福光 譲二 
こもる日も「真樹」開きて読みゆけば外(と)とのつながり広がりゆきぬ   柳原 孝子
世を離(か)るる貴(あて)なるものの叫びしか夜行の笛が秋天に沁(し)む     山本 光珠
若き日のひまわり柄のスカートは思い出とともに就活の途へ         山本 全子
自分だけは死なぬものぞと思いいる友の言葉がわが目覚ましぬ        吉田ヒロミ
贈られしセーター映す姿見の胸なる「k」の男子(おのこ)恋初む       上田 勝博
九十年続きし店を今たたむ永く永くし苦しみし末              宇吹 哲夫
吾(あ)が髪の白きに沁(し)みる黒マスク コロナの日々にこれも楽しき     大瀬  宏
朝焼けのあせたる空の雲の端に金のひかりが輝きそむる           岡田 寿子
台風をどこで避けしや青鷺の濁流前に身じろぎもせず            小畑 宣之
自粛要請にわがこもりいる窓近く揚げ羽二つが飽かず舞いおり        小巻由佳子
かたづけの時を奪われ文(ふみ)を読む影となりたるひとりひとりの       鈴木 敬子
何人(なにびと)も避けらるるなく降り注ぐ星の光の下の一人(いちにん)     高本 澄江
今までのキャリアを自負し心だに折らじと吐きだす三十一(みそひと)文字に  竹添田美子
コロナ禍の苦熱にありて耳孔にし凡(おお)に残れり蜩の声          龍野日那子
アキアカネ飛ぶ夕暮れは泉水の鯉にもわれにもやさしき時間         豊田 敬子

2020/10/27

2020(令和2年)11月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
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2020年令和2年11月号
研究  浮世絵の改印(真乳山の場合) ―古典の小径140―     外村展子
尾上柴舟のうた 236        近藤史郎  岡田寿子  山本光珠  
内面客観の道をたずねて 129     大垰敦子  澤田久美子 村上山治 川口浩子
                   月原芳子  廣本貢一  吉田征子 勝地健一                     
近現代歌人の一首〔葛原妙子〕 新井邦子
【短歌時評】25 コロナと結社   上田勝博
佳品嘆美*146〈万葉集〉〈藤井常世〉     山本光珠  澤田久美子
作品評
再録  真樹の曙―旧号抄録161(1)(2)-
    山本康夫のノートより   
    真樹のうたびと 山本康夫/永寳山靜子 
    他誌抄録 109
記   真樹サロン短歌会記 100  吉田征子      
    ピクチャ便り⑯ 四つの実り
後記                  

ご案内 -2020年11月-
真樹サロン
   日時 11月22日(日)10時~  協力
               13~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会の場合不要)
   出詠 1首を担当者 新井邦子まで(SMS可)
   締切 11月15日


山本康夫の歌
山坂を傘かたむけて下りをりさいさいと降る雨のあかるさ
いつくしま雨ふりこもりもみでたる山の片面のくれてゆくころ
夕雨にしとどぬれたる楓葉のいよいよ紅しよりて仰ぎぬ
谷の道くれしづみつつ仰ぎ見る紅葉のいろは眼にしまぎれず
群れあそぶ鹿の子たちに喰べられて広きなだりのみじかき芝生
秋の雨ふりてぬらせる道の面に朝すがしく木の葉散りたる

                 『比婆山』(昭和十七年刊)―「紅葉谷公園」

 20首抄(2020年10月号より抄出)
聞こえますか被爆の魂(たま)よヒロシマの七十五年目の祈りのこえが      米田 勝恵  
吾(わ)が家(いえ)でくつろぐことなど考えず仕事と思い図書館へ行く   宇吹 哲夫
原爆にあいし大きな柱時計納戸に眠るを息が継ぐとう           榎並 幸子
短歌詠みて逝きにし人の魂をわが身に重ね思うときのま          大瀬  宏
寝ころんで見上げる空の高くしてコロナ禍逃れ吸い込まれゆく       大垰 敦子
新たにぞ死者を悼めり七十五年経て映像の原爆投下に           大津タカヱ
原爆を知らぬ汝(な)にいま伝え置く汝が健やかな心のうちに         木村 浩子
またたきの狭間(はざま)と思え蓮池のはすのかなたに夏はもえいる      黒飛 玲子
原爆ド-ム荒々しさは失(う)せたれど忘れてならぬ八月六日        小畑 宣之
海底に朽ちゆく艦と兵の眼窩(か)見おさめ父をしのぶは断たんか       笹田四茂枝
コロナ旋風わずかの趣味も持ち去りて紙とペン持つ作歌は砦(とりで)     佐藤 静子
誤って幹を手折りて残したる脇芽に生(な)りしキュウリを賞す        滝沢 韶一
平和こそ次世代へ継ぐ遺産とぞ歌三線(うたさんしん)を翁(おきな)は奉ず   田中 淳子
あじさいは七変化していのち紡ぎ人は百歳のスキル育む          月原 芳子
ベランダの花の顔みて水やれば蝶のとび来て何か告ぐなり         富田美稚子
ラッパ飲みゆるさぬ心解け流れボトルの先に夏空まぶし          濱本たつえ
流水に解凍早き塩あじと枝豆好み一人暮らしよし             平本 律枝
若き日の思い出だけが湧きいでて宝石のごと愛(いと)おしみおり      古澤 和子
すすぎもの干すわがめぐりを飛ぶ蜻蛉ないしょ話を聞かすというか     守光 則子

<お知らせ>
NHKテレビ放送
「よみがえる幻の歌 古関裕而 歌謡ひろしま」
10月30日(金)夜10:45~11:10(県内)総合
11月 1日(日)夕方5:30~5:55(中国地方)総合
11月18日(水)午前1:15~1:40
(=11月17日(火)深夜)  (全国)BS1

2020/09/29

2020(令和2年)10月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏

2020年(令和2年)10月号
研究  白山信仰と菊理媛 ―古典の小径139―      外村展子
尾上柴舟のうた 235        福光譲二  澤田久美子 山本光珠  
    内面客観の道をたずねて 128   石井恵美子 柳原孝子  小巻由佳子 高本澄江
                    西本光仁  野坂昭雄  吉田ヒロミ 上田勝博                     
    近現代歌人の一首〔大田美和〕 近藤史郎
    【異文化essay】33 Nobel Peace Prize(ノーベル平和賞) 田中淳子 
    佳品嘆美*145〈万葉集〉〈栗木京子〉     山本光珠  森ひなこ
作品評
再録 真樹の曙―旧号抄録160(1)(2)-
    山本康夫のノートより   
    真樹のうたびと 山本康夫/北原奈美代 
    他誌抄録 108
記   真樹サロン短歌会記 99  村上山治       
    後記                   

ご案内 -2020年10月-
真樹サロン
   日時 10月25日(日)10時~  協力
               13~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会の場合不要)
   出詠 1首を担当者 新井邦子まで(SMS可)
   締切 10月15日



山本康夫の歌
水煙は塔の上よりおろされて天女乱舞の像見極むる
まなじりの切れ細くしてなよやかにみ手に珠もつ吉祥天女
この絵図を幾年われの見欲りけり袖引き立たす吉祥天女
はづみくる息は堪へつついにしへの仏足石に眼(め)をよせゐたり

              『槙の実』(昭和二十八年刊)―「薬師寺」(昭和二十五年作)

20首抄(2020年9月号より抄出)                                  
セザンヌが飽かず魅せられし妖 ((あや)しさは夏の朝焼け白い山肌  佐藤 静子
青やかな衣一枚身にまといあのうぐいすのうたを聞きたし        鈴木 敬子
一時間ペダル踏みきたる境内は桜満開来てよかりけり          高見 俊和
わが庭の山椒の新芽食べつくし華やかに飛ぶ初夏の揚げ羽は     豊田 敬子
真っ白な塩載する島はその重み耐うや古里のその三つ子島      中元芙美子
あたたかき風吹きおれば戸を開けて風の道得て中で本よむ      延近 道江
ほおづえつくカフェの窓辺にアンブレラ右に左に白ゆく赤ゆく      畠山 清子
ちそをもみ赤く染まれる手をふきて古きメモ書きまた参照す       廣田 怜子
畑すべて猪よけの網の中暮らしの不自由一つ増えたり          松尾 美鈴
コロナ禍に籠りてブーゲンビリヤをと絵皿に試す花びらの色      水田ヨシコ
気がつけばこの世は山と谷あるか谷深むほど澄みし水湧く       森 ひなこ 
夢の断片つなぎてゆけば恐ろしきマザーグースの詩のごとくなる    森重 菊江
キジバトの縁側近く寄りくるにその目するどしジュラ紀をひそむ      新井 邦子
夕暮れに花好きの友の家に寄り山あじさいの可憐さをみる        岩本 淑子
終活を進める端からふつふつと物欲わいてバーゲンへ駆る       大越由美子
水槽に鉛筆魚(ペンシルフィッシュ)は斜めなり天を仰ぎて何を恋いる  大瀬  宏
ウイルスが猛威をふるい子と子との経済格差またも広がる        岡田 寿子
うず高く柿もみかんもあふれんばかり輝きてあり店員せわし       川口 浩子
戦いに死にたる人も生き抜いて国を造りし人も尊し            小畑 宣之
きさらぎゆ弥生へうつる夜の闇に息あつく鳴くきじばとの声        近藤 史郎
2020/09/06

2020(令和2年)9月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
9月号表2_convert_20200906131742
2020年(令和2年)8月号
☆研究  □女化神社   -古典の小径138 ― ...外村展子
□尾上柴舟のうた234         ‥‥ 近藤史郎 岡田寿子 山本光珠  
     □内面客観の道をたずねて127     ‥‥大垰敦子 澤田久美子 村上山治 川口浩子
                          月原芳子 廣本貢一  吉田征子 勝地健一                      
     □近現代歌人の一首【桑原正紀】   ‥‥新井邦子
     □【異文化essay】32  ball room dance   ‥‥田中淳子 
     □佳品嘆美*144〈万葉集〉〈斎藤茂吉〉   ‥‥山本光珠 大瀨宏
☆作品評
☆再録  □真樹の曙―旧号抄録159(1)(2)-32
       山本康夫のノートより   表見返し
       真樹のうたびと  山本康夫 大森保平 裏見返し
     □他誌抄録107
☆記   □真樹サロン短歌会記 98       ...田中淳子       
     □後記

ご案内 -2020年9月-
真樹サロン
   日時  9月27日(日)10時~   協力
                 13~15時  短歌会
   会費 500円(10時からの来会者は不要)
   出詠 1首を担当者 福光譲二まで(SMS可)
   締切  9月15日

     
 20首抄(2020年8月号より抄出)
一冊の教科書にさえ触れぬまま生き来し我の続く足跡         木村 浩子 
再開すと短歌講座の電話受け忘れいしものよび起こさるる       小巻由佳子
ジャカランダアフリカは遠く夢の島の押し花にして男(お)の子より来る   佐藤 静子
福豆を母と撒(ま)きゐし日を遠みわが撒く声は闇に吸はるる        澤田久美子
静心もちえぬコロナのウイルスが人の口過ぎ根こそぎ狂わす        龍野日那子
庭の辺にマロニエの花咲く日こそ心はパリのシャンゼリゼへ飛ぶ     田中 淳子
いしずえは「内面客観」ストイックにひた向きにあらば悔いはなからん   月原 芳子
何事も考えず行く散歩道もうここなのかの瞬間がる          西本 光仁 
荒畑に無断侵入の麗春花コロナにめいるわれ見入りたり        濱本たつえ
介護士のことば色もち心秘む「ホタルの里」に老いら黙せり      松井嘉壽子
霧雨にふくらむつぼみうながされ絹布のような白牡丹開く       松永 怜子
レシピ見つつフレンチトースト作るなり自粛の続く余寒の朝(あした)  宮﨑 孝司
顏半分マスクで隠し街ゆけば盗人(ぬすと)の心ひりひりとわく      森 ひなこ    
重力を感じさせつつ昇りくるスーパームーンの白き自意識       吉田ヒロミ
いつの日のわが表情をおもかげとなしてし君は生きたまいけん     有本 幸子
楊貴妃は身を投げしかな一夜へて苔(こけ)著(しる)き上(え)へ牡丹の落花   石井恵美子
階段に日を浴ぶる蛇一本の孤独を畏(おそ)れきびすを返す       上田 勝博 
水無月の曇天に咲く花菖蒲その紫が憂いを払う              宇田 文子
「クラスター」の客船にいしはあの人と実(まこと)しやかに噂(うわさ)とび交う  大越由美子






2020/07/25

2020(令和2年)8月号

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題字 尾上柴舟  表紙 武永槙雄「南無佛太子像」

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 20首抄(2020年7月号より抄出)
疑いの雨に打たれし蝙蝠の涙かわく日われは祈らん          大瀬  宏 
高卒時中之島前ダイビルの姿にあこがれ就職しけり            大森  勝
病との壮絶なりし戦いを短歌の旗にかけぬけし友             勝地 健一
十六歳の心のままに長生きをいたしておりと告げたし母よ         木村久仁子
しなやかに生きてみようと決めし日の椿つらつら此方(こちら)に向きぬ   笹田四茂枝
メンテナンスにブルーシートかけ春陽(はるひ)受くステンドグラスめく二階窓     佐藤 静子
たまきわるいのちこの星の上にありわれも人なり彼も人なり       隅出志乃惠
雨きのう降りて水かさ増す川の波打ち際に花筏(いかだ)揺る       中元芙美子
コロナにて静まりかえる団地にて郵便車ひとつそっと来る春       鍋谷 朝子
とりどりの生花と見ゆれ水不要とガラスの中にいつまで持つや      平本 律枝
死ぬ前に慌てぬためのレッスンワンついのすみかに品持ち込まず     福光 譲二
受話器よりささやく声の漏れきたり後藤姉一言アリガトウのみ      古澤 和子
育苗機ゆ出したる白き乳苗は黄金の稲穂の力ひめいる         松尾 美鈴
しろかもめ一直線でおりて来るそのスピードにかたずを飲めり     的場いく子
「真樹」誌の旧号並べその歌に読み入りて知る後藤祝江氏       水田ヨシコ
美(は)しき心持ちてコロナに真向えば美しき菌にと変わりはせぬか    森重 菊江 
色づけるさくらんぼの実は小(ち)さき実を振り落とし降り落とし太りてきたり    守光 則子
洋車(ヤンチョ)ごとマイナスイオンに包まれて京都嵯峨野の竹林(たけばやし)ゆく   山本 真珠
スーパーにマスクし忘れて入れれば罪人のごと人目集まる       山本 全子
「祝」を名につけしみ親に抱かれて今こそ友の眠り安らけし      吉田 征子