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2023/06/04

2023(令和5年)6月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏

2023・6目次_convert_20230604095521
2023・6表3_convert_20230604100841
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20首抄(2023年5月号より抄出)

空襲で焦土となれる姫路の地に残されし城永久(とわ)のアートぞ  田中 淳子
利害なく名もなく綾(あや)なる愛もなく ないない仲間の至宝は短歌   月原 芳子
光あれ我が存在の証(あかし)なる陰を見つめて一生(ひとよ)を生きる  茄子四季人
ディサービスは慣れるにつれて面白し歩行の形誰も同じく        平本 律枝
門灯の明かりに映えて雪の降るかかるみ冬を詠みてし越えん       廣田 怜子
バス逃しゆっくり上る坂道にタンポポ咲いてナズナが揺るる      弘野 礼子
この服は孫生(あ)れし時と折々の思い出たち来て「断捨離」進まず    松尾 美鈴 
車待つひととき開く朝刊に梅ほころぶの報が明るし           水田ヨシコ
その名には「宝物」の意込められて生(あ)れし命を守り続ける      宮本 京子
寒き川になまめき泳ぐ魚たちのつめたき瞳を思ふ時雨(しぐ)れて      森 ひなこ
「猫嫌い」と咎(とが)むる友に言わざりき台風あとのむくろ見しこと  有本 幸子
戦いが終わりぬ介護の苦しさと悲しみの荷を下ろす寂しさ        杏野なおみ
早々に飛び来しムッシュ・サルコジに核大国の動顛(てん)を見つ      大瀬  宏
オルゴールは雛(ひな)祭りの歌くりかえす写真の幼児は還暦なるを   大垰 敦子
全身を朽ち葉に抱かれ天あおぐ山の斜面に転びてわれは        岡田 寿子
泥沼に身を置くごとく我がいて返せぬ恩に今宵(こよい)まどろむ       勝地 健一
短歌会終えてたそがれ迫れども車窓にまぶし光の並木           川口 浩子
九年の空白を越えブーニンのとりもどせる音心ゆさぶる         佐藤 静子
ゆく秋を短歌手帖(ちやう)に収めむと町ゆく人を茶房に眺む      澤田久美子
明るさよ整形外科の病棟は武勇伝など各自披露す             隅出志乃惠