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2019/12/17

2019年(令和元年)10月号

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     題字 尾上柴舟 表紙 大瀬 宏
2019年10月号「前号20首抄」
   -20首抄(2019年9月号より抄出)-
庭に来て朝夕に鳴くウグイスの時に高きは恋の叫びか          松井嘉壽子
葉桜がわれの歩みをとどむるに従いてまた頬に風吹く          水田ヨシコ
ジャガいもの原産地とうアンデスの空思うなり芽吹くこの朝       宮崎 孝司
百合の花おし広げつつ葯(やく)を取る手術なれした外科医のやうに   森 ひなこ
余生なりと思えば心さわぐこと聞かじすまじと壁つくるわれ       森重 菊江
玉葱の根を切ると庭の隅に座を占めたるわれへ鶯の鳴く         守光 則子
「令和」へと継がれし初めの一日を列島こぞりて湧くさま報ず      柳原 孝子
日光の夏の旅人(たびと)の洗礼と<華厳(けごん)の滝>の飛沫(しぶき)浴びしか  山本 真珠
非才なるわれが短歌に目覚むるを誘わせし師の好意うれしき       山本 全子
石垣の小さき間のその奥に愛の巣あらんつがい出入りす         石井恵美子
平成とともに閉じたり郷愁濃きポン菓子を売る下迫商店         大越由美子
見聞の難くなりたるこの体時を気にせずいかに過ごすか         大森  勝
父母の骨の行く末決めてのむ茶碗の中の明るき緑            岡田 寿子
かみ合わぬ会話なれどもしっかりと語り継ぎたし昭和のできごと     折口 幸子
巣のふちに子つばめあふれんばかりなり空舞う朝は青空であれ      金尾 桂子
生い茂る吹上(ふきあげ)の森お暗くて奇(くす)し真白の蘭そこここに    川口 浩子
すずらんの香る夕べの庭へ出(い)づ今書き上げし稿をたたみて         澤田久美子
溝掃除脇のダンプに鋤簾(じょれん)にて土砂積む人の顔美しき         高見 俊和
刈りゆけばあざみの花も砕け散るえのころ草もばったと倒る         高本 澄江
年を追いて萎えゆく我を留(とど)めんと浜茄子色のマニキュア塗りぬ    濱本たつえ

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