2020(令和2年)11月号

題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏

2020年令和2年11月号
研究 浮世絵の改印(真乳山の場合) ―古典の小径140― 外村展子
尾上柴舟のうた 236 近藤史郎 岡田寿子 山本光珠
内面客観の道をたずねて 129 大垰敦子 澤田久美子 村上山治 川口浩子
月原芳子 廣本貢一 吉田征子 勝地健一
近現代歌人の一首〔葛原妙子〕 新井邦子
【短歌時評】25 コロナと結社 上田勝博
佳品嘆美*146〈万葉集〉〈藤井常世〉 山本光珠 澤田久美子
作品評
再録 真樹の曙―旧号抄録161(1)(2)-
山本康夫のノートより
真樹のうたびと 山本康夫/永寳山靜子
他誌抄録 109
記 真樹サロン短歌会記 100 吉田征子
ピクチャ便り⑯ 四つの実り
後記
ご案内 -2020年11月-
真樹サロン
日時 11月22日(日)10時~ 協力
13~15時 短歌会
会費 500円(10時来会の場合不要)
出詠 1首を担当者 新井邦子まで(SMS可)
締切 11月15日
山本康夫の歌
山坂を傘かたむけて下りをりさいさいと降る雨のあかるさ
いつくしま雨ふりこもりもみでたる山の片面のくれてゆくころ
夕雨にしとどぬれたる楓葉のいよいよ紅しよりて仰ぎぬ
谷の道くれしづみつつ仰ぎ見る紅葉のいろは眼にしまぎれず
群れあそぶ鹿の子たちに喰べられて広きなだりのみじかき芝生
秋の雨ふりてぬらせる道の面に朝すがしく木の葉散りたる
『比婆山』(昭和十七年刊)―「紅葉谷公園」
20首抄(2020年10月号より抄出)
聞こえますか被爆の魂(たま)よヒロシマの七十五年目の祈りのこえが 米田 勝恵
吾(わ)が家(いえ)でくつろぐことなど考えず仕事と思い図書館へ行く 宇吹 哲夫
原爆にあいし大きな柱時計納戸に眠るを息が継ぐとう 榎並 幸子
短歌詠みて逝きにし人の魂をわが身に重ね思うときのま 大瀬 宏
寝ころんで見上げる空の高くしてコロナ禍逃れ吸い込まれゆく 大垰 敦子
新たにぞ死者を悼めり七十五年経て映像の原爆投下に 大津タカヱ
原爆を知らぬ汝(な)にいま伝え置く汝が健やかな心のうちに 木村 浩子
またたきの狭間(はざま)と思え蓮池のはすのかなたに夏はもえいる 黒飛 玲子
原爆ド-ム荒々しさは失(う)せたれど忘れてならぬ八月六日 小畑 宣之
海底に朽ちゆく艦と兵の眼窩(か)見おさめ父をしのぶは断たんか 笹田四茂枝
コロナ旋風わずかの趣味も持ち去りて紙とペン持つ作歌は砦(とりで) 佐藤 静子
誤って幹を手折りて残したる脇芽に生(な)りしキュウリを賞す 滝沢 韶一
平和こそ次世代へ継ぐ遺産とぞ歌三線(うたさんしん)を翁(おきな)は奉ず 田中 淳子
あじさいは七変化していのち紡ぎ人は百歳のスキル育む 月原 芳子
ベランダの花の顔みて水やれば蝶のとび来て何か告ぐなり 富田美稚子
ラッパ飲みゆるさぬ心解け流れボトルの先に夏空まぶし 濱本たつえ
流水に解凍早き塩あじと枝豆好み一人暮らしよし 平本 律枝
若き日の思い出だけが湧きいでて宝石のごと愛(いと)おしみおり 古澤 和子
すすぎもの干すわがめぐりを飛ぶ蜻蛉ないしょ話を聞かすというか 守光 則子
<お知らせ>
NHKテレビ放送
「よみがえる幻の歌 古関裕而 歌謡ひろしま」
10月30日(金)夜10:45~11:10(県内)総合
11月 1日(日)夕方5:30~5:55(中国地方)総合
11月18日(水)午前1:15~1:40
(=11月17日(火)深夜) (全国)BS1
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