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2020/09/29

2020(令和2年)10月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏

2020年(令和2年)10月号
研究  白山信仰と菊理媛 ―古典の小径139―      外村展子
尾上柴舟のうた 235        福光譲二  澤田久美子 山本光珠  
    内面客観の道をたずねて 128   石井恵美子 柳原孝子  小巻由佳子 高本澄江
                    西本光仁  野坂昭雄  吉田ヒロミ 上田勝博                     
    近現代歌人の一首〔大田美和〕 近藤史郎
    【異文化essay】33 Nobel Peace Prize(ノーベル平和賞) 田中淳子 
    佳品嘆美*145〈万葉集〉〈栗木京子〉     山本光珠  森ひなこ
作品評
再録 真樹の曙―旧号抄録160(1)(2)-
    山本康夫のノートより   
    真樹のうたびと 山本康夫/北原奈美代 
    他誌抄録 108
記   真樹サロン短歌会記 99  村上山治       
    後記                   

ご案内 -2020年10月-
真樹サロン
   日時 10月25日(日)10時~  協力
               13~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会の場合不要)
   出詠 1首を担当者 新井邦子まで(SMS可)
   締切 10月15日



山本康夫の歌
水煙は塔の上よりおろされて天女乱舞の像見極むる
まなじりの切れ細くしてなよやかにみ手に珠もつ吉祥天女
この絵図を幾年われの見欲りけり袖引き立たす吉祥天女
はづみくる息は堪へつついにしへの仏足石に眼(め)をよせゐたり

              『槙の実』(昭和二十八年刊)―「薬師寺」(昭和二十五年作)

20首抄(2020年9月号より抄出)                                  
セザンヌが飽かず魅せられし妖 ((あや)しさは夏の朝焼け白い山肌  佐藤 静子
青やかな衣一枚身にまといあのうぐいすのうたを聞きたし        鈴木 敬子
一時間ペダル踏みきたる境内は桜満開来てよかりけり          高見 俊和
わが庭の山椒の新芽食べつくし華やかに飛ぶ初夏の揚げ羽は     豊田 敬子
真っ白な塩載する島はその重み耐うや古里のその三つ子島      中元芙美子
あたたかき風吹きおれば戸を開けて風の道得て中で本よむ      延近 道江
ほおづえつくカフェの窓辺にアンブレラ右に左に白ゆく赤ゆく      畠山 清子
ちそをもみ赤く染まれる手をふきて古きメモ書きまた参照す       廣田 怜子
畑すべて猪よけの網の中暮らしの不自由一つ増えたり          松尾 美鈴
コロナ禍に籠りてブーゲンビリヤをと絵皿に試す花びらの色      水田ヨシコ
気がつけばこの世は山と谷あるか谷深むほど澄みし水湧く       森 ひなこ 
夢の断片つなぎてゆけば恐ろしきマザーグースの詩のごとくなる    森重 菊江
キジバトの縁側近く寄りくるにその目するどしジュラ紀をひそむ      新井 邦子
夕暮れに花好きの友の家に寄り山あじさいの可憐さをみる        岩本 淑子
終活を進める端からふつふつと物欲わいてバーゲンへ駆る       大越由美子
水槽に鉛筆魚(ペンシルフィッシュ)は斜めなり天を仰ぎて何を恋いる  大瀬  宏
ウイルスが猛威をふるい子と子との経済格差またも広がる        岡田 寿子
うず高く柿もみかんもあふれんばかり輝きてあり店員せわし       川口 浩子
戦いに死にたる人も生き抜いて国を造りし人も尊し            小畑 宣之
きさらぎゆ弥生へうつる夜の闇に息あつく鳴くきじばとの声        近藤 史郎
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