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2019/06/27

2019年7月号「前号20首抄」

   20首抄(2019年6月号より抄出)ー    

  (すめらぎ)の短歌と民の短歌並む万葉集はほこるべき古典        柳原 孝子
  歌会に交わす絆の充実をわが詠む日々の光とぞせん            吉田 征子

  向こう山のこぶしの花の咲き初めて「令和」元年の春耕はじまる      米田 勝恵
  チューリップ十二の種のその芽のこと六百キロ先より子は問ひ来      和田 紀元
  取りいだす万葉巻五旅人憶良貧しき庶民により添う歌も          石井恵美子
  十一時三十分いま菅長官高々と持つ「令和」の文字を           宇田 文子
  元号は「令和」と額をかざされて戦前、戦中、戦後は遠き         大垰 敦子
  昭和平成令和を生きて米寿とう冠かぶり乾杯の声             大津タカヱ
  ありし日の父母は新居を探すごとふたりで入る墓所(ぼしょ)をさがしき   岡田 寿子
  新元号発表されし朝の雨やがてなごりの雪へと変わる           金尾 桂子
  衛星と電波の力あればこそ地球も宇宙も学びの宝庫            川口 浩子
  この年の寒波をくぐり咲く桜花むね張って生きる姿に似たる        喜多 敏子
  プロフィールに歌人と記さるる紙面にて半年続くコラムは重し       木村 浩子
  昔日の面影うすきわが里に通えるわれも体力弱る             中村  武
  先代よりの相続ならぬ恵方巻 われ反骨にて豆まきをなす         濱本たつえ
  すばしこく我が目欺くネイマール貧しき日々の友はボールか        福光 譲二
  鴨川を挟み行き来せし荒神橋研究室は双方にありて            古澤 和子
  書の審査終え安らぎぬひと時をレベルアップに息つめしのち        水田ヨシコ
  グループで一人の老いを欺くや恥の文化の失()せたる世なり       宮﨑 孝司
  神妙にはだかのままを差し出せば紙垂(しで)(はら)はれし今年のねがひ  森 ひなこ

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