山本康夫の歌ー2019年(平成31年)3月号
「真樹」(昭和9年5月号) ー江田島吟行ー
夕づきて春の小雨となりしゆゑ今日の集ひの忘られなくに
往くときは心はやりて見ざりける校門(もん)の桜の闇にほのけき 帰途
訪ね来し島の村里ぬくければ春はやくして桜咲きたり
咲きいでていまだまばらの桜花そのおのおののしめりを持てる
打つれて庭にいでたる一ときをなすこともなく芝ふみあそぶ 林冷子氏方
その立居今年は殊につつましうなりて乙女は生ひ立ちはやき 令嬢來子様
弾き終へてピアノ放るるをとめ子の面ほんのりとほてりゐる見き 令嬢道子様
とりどりに春の花咲くさ庭べに写真をとるとうちつれいでつ
夕づきて春の小雨となりしゆゑ今日の集ひの忘られなくに
往くときは心はやりて見ざりける校門(もん)の桜の闇にほのけき 帰途
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