2019年1月号「前号20首抄」
ー20首抄(2018年12月号より抄出)ー
さるすべり細枝にわたあめあつめ九月の窓にほのかに灯 (とも) る 勝地 健一
夏の庭でおしゃべりせし人乗せてゆく黒い車に手を合わす秋 金尾 佳子
日本の最果ての原野サロベツに渡り鳥らのにぎわう春来(く) 川口 浩子
今日明けて尾花さやかにそよぎいる銀の色して青空のもと 喜多 敏子
地球照 こよいは澄めり秋冷の風さえ光る散歩道ゆく 近藤 史郎
この部屋に明かりをつけて短歌書くこよいの終わり恋の終わりを 佐々木孫一
青虫に衣とられて秋茄子の哀れなるかな裸となる朝 鈴木 敬子
太陽はあまねく世界を照らしてる片隅なんてそれはどこなの 西本 光仁
ダヴィデ像見し日の夜の浴室の曇れる鏡やおら拭(ふ)きたり 日野 幸吉
秋日浴みキバナコスモス花盛り黒あげは蝶日がな来遊ぶ 廣田 玲子
こもれ日の家に六十余年住みふっと静かに夏を見送る 北條多美枝
六時半 東の雲はShell Blue(シェル・ブルー)ミルクの空にいまし溶けゆく 山本 真珠
月々の「真樹」の世界に圧倒され深呼吸して表紙をめくる 吉田ヒロミ
水害の季の花火師の哀(かな)しみよ四方(よも)の夜空のステージあれかし 吉山 法子
おりの中タイガーに人おそわれぬ野生のスイッチ誰が押したか 的場いく子
籠もらじと散策しては歌詠みて夜はその歌の推敲に更く 水田ヨシコ
あめ色にかっきりと枝に張りつきて造形美みせしかの蟬いずこ 森重 菊江
雨上がり白き一機のいざなうは東にあらん希望という町 新井 邦子
坂の上(え)の雲を追いかけ走り次ぐ雲の片片(へんぺん)指に触れたく 有本 保文
畑作に携わるだけの今日なれど髪とき紅さしやる気湧き出(い)ず 岡畑 文香
さるすべり細枝にわたあめあつめ九月の窓にほのかに灯 (とも) る 勝地 健一
夏の庭でおしゃべりせし人乗せてゆく黒い車に手を合わす秋 金尾 佳子
日本の最果ての原野サロベツに渡り鳥らのにぎわう春来(く) 川口 浩子
今日明けて尾花さやかにそよぎいる銀の色して青空のもと 喜多 敏子
地球照 こよいは澄めり秋冷の風さえ光る散歩道ゆく 近藤 史郎
この部屋に明かりをつけて短歌書くこよいの終わり恋の終わりを 佐々木孫一
青虫に衣とられて秋茄子の哀れなるかな裸となる朝 鈴木 敬子
太陽はあまねく世界を照らしてる片隅なんてそれはどこなの 西本 光仁
ダヴィデ像見し日の夜の浴室の曇れる鏡やおら拭(ふ)きたり 日野 幸吉
秋日浴みキバナコスモス花盛り黒あげは蝶日がな来遊ぶ 廣田 玲子
こもれ日の家に六十余年住みふっと静かに夏を見送る 北條多美枝
六時半 東の雲はShell Blue(シェル・ブルー)ミルクの空にいまし溶けゆく 山本 真珠
月々の「真樹」の世界に圧倒され深呼吸して表紙をめくる 吉田ヒロミ
水害の季の花火師の哀(かな)しみよ四方(よも)の夜空のステージあれかし 吉山 法子
おりの中タイガーに人おそわれぬ野生のスイッチ誰が押したか 的場いく子
籠もらじと散策しては歌詠みて夜はその歌の推敲に更く 水田ヨシコ
あめ色にかっきりと枝に張りつきて造形美みせしかの蟬いずこ 森重 菊江
雨上がり白き一機のいざなうは東にあらん希望という町 新井 邦子
坂の上(え)の雲を追いかけ走り次ぐ雲の片片(へんぺん)指に触れたく 有本 保文
畑作に携わるだけの今日なれど髪とき紅さしやる気湧き出(い)ず 岡畑 文香
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