2018年12月号「前号20首抄」
ー20首抄(2018年11月号より抄出)ー
薄茶席に男手前の頼もしく海はのどけく船通いおり 岩本 淑子
アイフォンで音楽きくとイヤホンを着ければ演奏われ一人占め 宇吹 哲夫
向日葵は朝日に向かい夕日にもきっちり向かうを一日の業とす 岡畑 文香
外壁の色はいかにと思うとき富良野の丘のラベンダーの風 大垰 敦子
秋の月さやかに照れりわが過ぎし日々をばかえりみよとごとくに 大津タカヱ
愛を得て家内とともに人生の道をここまで来し幸せよ 大森 勝
水晶のごとき滴は朝光を浴びて悲しみの心潤す 木村 浩子
利き腕が難癖つけて痛めども投稿書くのは許してくれた 廣本 貢一
台風のあとのからりと晴れた日に洗濯たたむかぐわしきとき 隅出志乃惠
取り出してまた収めおく夏帽子あと一夏と決めて箱閉ず 高本 澄江
豪雨災害に命残りて良かりしと目に力ありひとりの女 龍野日那子
白鷺はさむざむ歩み畔(あぜ)よりをふわりと風に乗りて行きたり 豊田 敬子
ごうごうとせき越える水に負けずしてあめんぼの群れ泳ぎいるなり 延近 道江
単純にバナナの皮と思いしが「シュガースポット」は肌の劣え 樋口 礎
ぽろぽろと庭の葡萄が落ちはじめ色づくよりを雀が食す 平本 律枝
新婚旅行の費用を当てて水道の工事なしたる遠き日思う 廣畑佐か江
朝そりし髭 (ひげ)は夕べの指にたつかくてあずかる命知らさる 宮崎 孝司
人間はいかに生きしか奇岩あり古代の風景想像を超ゆ 森 光枝
星々を知りたる日々を思いつつ赤き星見る平成の夏 吉田 征子
真っ青な空を水(みな)底によびこんで喋り始める水面は揺るる 吉山 法子
薄茶席に男手前の頼もしく海はのどけく船通いおり 岩本 淑子
アイフォンで音楽きくとイヤホンを着ければ演奏われ一人占め 宇吹 哲夫
向日葵は朝日に向かい夕日にもきっちり向かうを一日の業とす 岡畑 文香
外壁の色はいかにと思うとき富良野の丘のラベンダーの風 大垰 敦子
秋の月さやかに照れりわが過ぎし日々をばかえりみよとごとくに 大津タカヱ
愛を得て家内とともに人生の道をここまで来し幸せよ 大森 勝
水晶のごとき滴は朝光を浴びて悲しみの心潤す 木村 浩子
利き腕が難癖つけて痛めども投稿書くのは許してくれた 廣本 貢一
台風のあとのからりと晴れた日に洗濯たたむかぐわしきとき 隅出志乃惠
取り出してまた収めおく夏帽子あと一夏と決めて箱閉ず 高本 澄江
豪雨災害に命残りて良かりしと目に力ありひとりの女 龍野日那子
白鷺はさむざむ歩み畔(あぜ)よりをふわりと風に乗りて行きたり 豊田 敬子
ごうごうとせき越える水に負けずしてあめんぼの群れ泳ぎいるなり 延近 道江
単純にバナナの皮と思いしが「シュガースポット」は肌の劣え 樋口 礎
ぽろぽろと庭の葡萄が落ちはじめ色づくよりを雀が食す 平本 律枝
新婚旅行の費用を当てて水道の工事なしたる遠き日思う 廣畑佐か江
朝そりし髭 (ひげ)は夕べの指にたつかくてあずかる命知らさる 宮崎 孝司
人間はいかに生きしか奇岩あり古代の風景想像を超ゆ 森 光枝
星々を知りたる日々を思いつつ赤き星見る平成の夏 吉田 征子
真っ青な空を水(みな)底によびこんで喋り始める水面は揺るる 吉山 法子
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