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2021/09/06

2021(令和3年)9月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
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2021年(令和3年)9月号
研究 雲助志願者の日記から-古典の小径149- 加藤定彦 ・ 外村展子       
尾上柴舟のうた 246 福光譲二  岡田寿子  山本光珠  
内面客観の道をたずねて 山本康夫作品鑑賞 139      
                  大垰敦子  澤田久美子 村上山治  西本光仁                      
                  吉田ヒロミ 吉田征子  野坂昭雄  黒飛了子  
【近現代歌人の一首】41〔雨宮雅子〕近藤史郎
佳品嘆美*156〈万葉集〉〈佐伯裕子〉山本光珠 森ひなこ 
作品評   宮﨑孝司  月原芳子  山本光珠  滝沢韶一  大瀨 宏  高本澄江  
竹添田美子 大越由美子 新井邦子  上田勝博  弘野礼子
書評    岡田寿子  新井邦子
作品抄出  豊田敬子  山本全子  勝地健一
再録  真樹の曙―旧号抄録 171
真樹のうたびと 山本康夫 / 蒔田うめ
他誌抄録 119
記   真樹サロン短歌会記 110 村上山治       
    真樹誌上短歌大会ご案内
    後記

ご案内-2021年9月-
真樹サロン
   日時 9月26日(日)13時
   会場 真樹社               
   会費 500円(10時来会者は不要)
   出詠 1首を担当の新井邦子へ
   締切 9月15日

山本康夫の歌九月号
今朝がたより心覆ひてありし影つきつめみればたわいもあらぬ
かかる小さきことに心を責められてわがありたるはくやしきごとし
世に受くる衝撃はみな歌に詠み詠めば忘れてゆくぞおもしろ
はやりくる歌にはしまぬおぞ心われのまたまとひた守りつつ

               『麗雲』(昭和二十二年刊)──昭和十五年──たまたまに

20首抄(2021年8月号より抄出)
                                 
女二人いて「若緑がいいわね」と被爆柳に日傘をひきぬ       金子貴佐子
歩み来(こ)し幾星霜を省みて思い浮かぶは我陰の人         川口 浩子
ふつふつと湧く情念は明日知れぬコロナの渦に巻き込まれゆく    木村 浩子
柔らかに若葉青葉の山の色生きとし生けるものは輝く        小畑 宣之
今日よりを短歌習うはこの地ぞと心新たに降(お)りける明石     小巻由佳子
都会にて大病ストレスその果てに転地が効くと知人訪(と)い来ぬ   竹添田美子
雨に落ちし紅のバラ大皿に盛りて互いの痛み分け合う        田中 淳子
校内の柵より顏出すあじさいよ誰かとおしゃべりしたき表情     富田美稚子
白い花みどりの網目に伸びてゆく五月(さつき)の朝のジャスミン香る   西本 光仁
畑げしの茶の一本に新芽伸ぶ口つきてふと「夏も近づく」      廣田 怜子
父も祖父も年若くして堂々と大人としての相深くあり        古澤 和子
母のごと行く道正しある時は娘のように優し介護士         松井嘉壽子
鏡なす田は山の影映しいてその澄む水に稚苗並べり         松永 玲子
薬飲む作業をおえてベッドへと今夜ぐっすり朝まで寝ると      的場いく子
田植えなどしたこともなき乙(おと)の孫が田植え機に乗る写真届きぬ  守光 則子
ヘルパー欄に「昔話をよくされる」とメモありおのずと戦時に触るるを  有本 幸子
絵手紙を始めたわれにのしかかるやがて行わるる発表会の圧       宇吹 哲夫
時としてチクリとわれに主張せりアクリル製の水晶体は         榎並 幸子
紅梅の花のあかるさ鳥の声リハビリの道に心あたたむ          大津タカヱ
庭先に初団子虫現ると少年の顔で夫が告げたり             岡田 寿子