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2020/07/25

2020(令和2年)8月号

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題字 尾上柴舟  表紙 武永槙雄「南無佛太子像」

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 20首抄(2020年7月号より抄出)
疑いの雨に打たれし蝙蝠の涙かわく日われは祈らん          大瀬  宏 
高卒時中之島前ダイビルの姿にあこがれ就職しけり            大森  勝
病との壮絶なりし戦いを短歌の旗にかけぬけし友             勝地 健一
十六歳の心のままに長生きをいたしておりと告げたし母よ         木村久仁子
しなやかに生きてみようと決めし日の椿つらつら此方(こちら)に向きぬ   笹田四茂枝
メンテナンスにブルーシートかけ春陽(はるひ)受くステンドグラスめく二階窓     佐藤 静子
たまきわるいのちこの星の上にありわれも人なり彼も人なり       隅出志乃惠
雨きのう降りて水かさ増す川の波打ち際に花筏(いかだ)揺る       中元芙美子
コロナにて静まりかえる団地にて郵便車ひとつそっと来る春       鍋谷 朝子
とりどりの生花と見ゆれ水不要とガラスの中にいつまで持つや      平本 律枝
死ぬ前に慌てぬためのレッスンワンついのすみかに品持ち込まず     福光 譲二
受話器よりささやく声の漏れきたり後藤姉一言アリガトウのみ      古澤 和子
育苗機ゆ出したる白き乳苗は黄金の稲穂の力ひめいる         松尾 美鈴
しろかもめ一直線でおりて来るそのスピードにかたずを飲めり     的場いく子
「真樹」誌の旧号並べその歌に読み入りて知る後藤祝江氏       水田ヨシコ
美(は)しき心持ちてコロナに真向えば美しき菌にと変わりはせぬか    森重 菊江 
色づけるさくらんぼの実は小(ち)さき実を振り落とし降り落とし太りてきたり    守光 則子
洋車(ヤンチョ)ごとマイナスイオンに包まれて京都嵯峨野の竹林(たけばやし)ゆく   山本 真珠
スーパーにマスクし忘れて入れれば罪人のごと人目集まる       山本 全子
「祝」を名につけしみ親に抱かれて今こそ友の眠り安らけし      吉田 征子 


2020/07/06

2020年(令和2年)7月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
7月号 表2_convert_20200725161950


2020年(令和2年)7月号
☆研究 □遊行上人   -古典の小径136―...外村展子
      □尾上柴舟のうた232       ‥‥岡田寿子 近藤史郎 山本光珠 
      □内面客観の道をたずねて125    …大垰敦子 澤田久美子 村上山治 川口浩子
                         月原芳子 廣本貢一 吉田征子 勝地健一
    □近現代歌人の一首(松村正直)   … 森ひなこ
      □【異文化essay】31SDGs (持続可能な開発目標)…田中淳子             
      □佳品嘆美*142〈万葉集〉〈島木赤彦〉…山本光珠 宮崎孝司
☆作品評
☆再録 □真樹の曙―旧号抄録157               
     山本康夫のノートより              表見返し
     真樹のうたびと   山本康夫 壽岡里容     表見返し
     □他誌抄録105 
☆記  □真樹サロン短歌会記96         中村カヨ子
     □後記
ご案内-2020年7月—
  真樹サロン
   日時 7月26日(日)10時~  協力
             13時~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会者は不要)
   出詠 1首を担当者 福光譲二まで(SMS可)
   締切 7月15日


山本康夫の歌――2020年(令和2年)7月号
時くれば成りてうれつつトマトの実この旱(ひでり)にも汁したたらす
朝畑に立ちてもぎ食ふトマトよりしたたる汁は手を伝ひ落つ
本降りとなれる雨かもよろこびの心をゆりて今宵眠れず
降り足らふ雨の音かもかはきしるきわが畑も雨をむさぶり吸はむ
降り足りて黒くうるほふ畑土に力のかぎり鍬うちおろす
『麗雲』(昭和二十二年刊)――土とともに(昭和十四年作)
☆追悼録
 後藤祝江氏追悼    水田ヨシコ 古澤和子  勝地健一
                吉田征子  石井恵美子 山本光珠
                新井邦子
  20首抄(2020年6月号より抄出)
古き文の「あいたいですね」の温かき文字に揺らぎぬ今の心は     吉田ヒロミ 
たからものひとつ消えにけり仰ぐもの真直(す)ぐであることくれしあすなろ     吉山 法子
「いのち一ぱい咲く」と詠みたるかの子思う一樹に耀(かがよ)うさくら仰ぎて    米田 勝恵
ウイルスに占領されし地球の上(え)にスーパームーンはこうこうとあり   榎並 幸子
不確実な明日に向き合うコロナ鬱(うつ) 満山の桜をセーターに編む    大垰 敦子
在りし日に夫と仰ぎし八重桜ひとり見入りてあれば舞い散る      大津タカヱ
コロナにて行事にわかに変われども卒業生には延ばし代なし      岡田 節子
リバイバル映画のなかに時をみる隣の席を空けたままにて       勝地 健一
つばめらの孤を描く空眺めつつ低く草引くコロナ禍の春        金尾 桂子
樹(き)のごとくなりたきわれもほぐれゆく羊歯(しだ)の胞子も月夜のものよ  黒飛 了子
平行線たどるばかりの言ひ合ひにやうやく妥協が割り込みてくる      廣本 貢一
四時起床昨日の夢は今日となる地球が回る速さのなかで          佐々木孫一
積む本のあれば心の安らぎぬ腕(かいな)とられて身を沈めたり       笹田四茂枝
いずこなる庭に沈丁花は香る御(み)寺の知らせを配りゆく道        高本 澄江
久々に庭に出(い)でたるイタチの子我と目が合い葉かげへ速き       永井 妙子
「アララギ」の歌詠み人(びと)の大叔母の歌集『葦の間の川』詠み継がん  中谷美保子
ため息の沁(し)みる独り居 氷雨ふる夜は思い出に抱(いだ)かれ眠る     中村カヨ子
文を書き詩に転じまた山多き短歌の道にまぎれ歩めり           鍋谷 朝子
一肌ぬぐことはよそでもできるとも生まれたここで大決心する       的場いく子
四肢麻痺 (まひ)の回復いかに妻はただリハビリに励む笑顔とともに     村上 山治