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2020/05/01

2020年(令和2年)5月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏

2020年(令和2年5月号)
☆研究  □遠州小夜中山之古跡 -古典の小径134―  …外村展子
□尾上柴舟のうた230          ‥‥ 近藤史郎 岡田寿子 山本光珠  
□内面客観の道をたずねて123     ‥‥ 大垰敦子 澤田久美子 村上山治 川口浩子
                       廣本貢一 上脇立哉  吉田征子 勝地健一                 
□近現代歌人の一首【近藤芳美】      ‥‥ 新井邦子
□【短歌時評】23 真樹について今思うこと‥‥ 村上山治 
□佳品嘆美*140〈万葉集〉〈斎藤茂吉〉  ‥‥山本光珠 大瀨宏
☆作品評
  
☆再録  □真樹の曙―旧号抄録155
□他誌抄録103
☆記   □真樹サロン短歌会記 94      ・・・福光譲二       
□後記  
□真樹賞・真樹奨励賞・康夫賞・年度賞応募要項
     □ピクチャ便り♠13猿猴川河畔の桜

山本康夫の歌  2020年(令和2年)5月号
工業地帯に汽車は入りしか暁をすでにトラックの往来はげし
旅の夜のちさき聖餐つぎ合いてグラス合わすればカチリと音す
川端の宿にめざめし目にしみてしらじらと夜明けの風の入りくる
流行の生地掛けられてマヌカンの醜女に映ゆる宵の灯明り
みやげ物売り場の少女声清く人住むところこの憩いあり
海に向かうホテルの窓の一せいに輝きそめて日は生れんとす

『山本康夫全歌集』(昭和三十九年刊)―「旅に拾う」(昭和三十七年作)

    20首抄(2020年4月号より抄出)
日焼けせし障子貼り替え迎えたり初日の光奥まで入りぬ        濱本たつえ
孟宗竹惜しみつつ切りし涙目に椿三本(もと)の落花が見ゆる       松永 玲子
「萬年青樹綴新花」と書名の意に合う漢籍の引かるる後記       柳原 孝子 
いとこたち去りて土産の早桜、幾種もの菓子に居間は華やぐ      山本 真珠
なにゆえに恐れをなすか野良猫は私の視野から猛ダッシュせり     山本 全子
山茶花をこよなく愛(め)でしを語りいし母すでにしてその母のもと   吉田 征子
ミサイルも災害もなき天界に奏でる星のきらめくリズム        米田 勝恵
ふときざす悲哀を胸に街ゆけば行きかうものみな淡き影ひく      大瀨  宏
夕暮れの駅へ急ぐは誰が待つ七階の窓にストーリーを読む       岡  暘子
いろり端「ひとり鍋」して煮つまれり位牌(はい)が並ぶ仏壇の前に   勝地 健一
「新(あらた)しき年の始め」と書き初めし里の社に掲げられたり    川口 浩子
十和田湖に紅葉の大木枝のばし自(し)がうれしみを映せるごとし    木村久仁子
病室のベッドに臥(ふ)せる母の目に何か宿りてわれを凝視す      黒飛 了子
雪道を二百五十キロ走り来て風呂に入れば眩暈(めまい)を覚ゆ     小畑 宣之
くりやにて手伝う身には分かねども千姫顕彰会は和き気配す      小巻由佳子
過ぎきたる日々の良きこと留め置きて心静かに春を飾らん       鈴木 敬子
常(とこ)しえに望郷の思い消えざらん春夏秋冬帰しては足らう     龍野日那子
手入れよき花を見おればおのずから花の精にぞ引き込まれゆく     富田美稚子
苦の多き母はも歌を詠みつぎけり歌にすくわれし母の一生       永井 妙子
もう話すことのない母その部屋にとけ入るような冬の夕焼け      長嶋 彰子