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2020/10/27

2020(令和2年)11月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
11月号_表2_convert_20201101210451

2020年令和2年11月号
研究  浮世絵の改印(真乳山の場合) ―古典の小径140―     外村展子
尾上柴舟のうた 236        近藤史郎  岡田寿子  山本光珠  
内面客観の道をたずねて 129     大垰敦子  澤田久美子 村上山治 川口浩子
                   月原芳子  廣本貢一  吉田征子 勝地健一                     
近現代歌人の一首〔葛原妙子〕 新井邦子
【短歌時評】25 コロナと結社   上田勝博
佳品嘆美*146〈万葉集〉〈藤井常世〉     山本光珠  澤田久美子
作品評
再録  真樹の曙―旧号抄録161(1)(2)-
    山本康夫のノートより   
    真樹のうたびと 山本康夫/永寳山靜子 
    他誌抄録 109
記   真樹サロン短歌会記 100  吉田征子      
    ピクチャ便り⑯ 四つの実り
後記                  

ご案内 -2020年11月-
真樹サロン
   日時 11月22日(日)10時~  協力
               13~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会の場合不要)
   出詠 1首を担当者 新井邦子まで(SMS可)
   締切 11月15日


山本康夫の歌
山坂を傘かたむけて下りをりさいさいと降る雨のあかるさ
いつくしま雨ふりこもりもみでたる山の片面のくれてゆくころ
夕雨にしとどぬれたる楓葉のいよいよ紅しよりて仰ぎぬ
谷の道くれしづみつつ仰ぎ見る紅葉のいろは眼にしまぎれず
群れあそぶ鹿の子たちに喰べられて広きなだりのみじかき芝生
秋の雨ふりてぬらせる道の面に朝すがしく木の葉散りたる

                 『比婆山』(昭和十七年刊)―「紅葉谷公園」

 20首抄(2020年10月号より抄出)
聞こえますか被爆の魂(たま)よヒロシマの七十五年目の祈りのこえが      米田 勝恵  
吾(わ)が家(いえ)でくつろぐことなど考えず仕事と思い図書館へ行く   宇吹 哲夫
原爆にあいし大きな柱時計納戸に眠るを息が継ぐとう           榎並 幸子
短歌詠みて逝きにし人の魂をわが身に重ね思うときのま          大瀬  宏
寝ころんで見上げる空の高くしてコロナ禍逃れ吸い込まれゆく       大垰 敦子
新たにぞ死者を悼めり七十五年経て映像の原爆投下に           大津タカヱ
原爆を知らぬ汝(な)にいま伝え置く汝が健やかな心のうちに         木村 浩子
またたきの狭間(はざま)と思え蓮池のはすのかなたに夏はもえいる      黒飛 玲子
原爆ド-ム荒々しさは失(う)せたれど忘れてならぬ八月六日        小畑 宣之
海底に朽ちゆく艦と兵の眼窩(か)見おさめ父をしのぶは断たんか       笹田四茂枝
コロナ旋風わずかの趣味も持ち去りて紙とペン持つ作歌は砦(とりで)     佐藤 静子
誤って幹を手折りて残したる脇芽に生(な)りしキュウリを賞す        滝沢 韶一
平和こそ次世代へ継ぐ遺産とぞ歌三線(うたさんしん)を翁(おきな)は奉ず   田中 淳子
あじさいは七変化していのち紡ぎ人は百歳のスキル育む          月原 芳子
ベランダの花の顔みて水やれば蝶のとび来て何か告ぐなり         富田美稚子
クレヨンで梅雨の半ばの空を塗るレモン色した酸っぱい太陽        長嶋 彰子
ラッパ飲みゆるさぬ心解け流れボトルの先に夏空まぶし          濱本たつえ
流水に解凍早き塩あじと枝豆好み一人暮らしよし             平本 律枝
若き日の思い出だけが湧きいでて宝石のごと愛(いと)おしみおり      古澤 和子
すすぎもの干すわがめぐりを飛ぶ蜻蛉ないしょ話を聞かすというか     守光 則子

<お知らせ>
NHKテレビ放送
「よみがえる幻の歌 古関裕而 歌謡ひろしま」
10月30日(金)夜10:45~11:10(県内)総合
11月 1日(日)夕方5:30~5:55(中国地方)総合
11月18日(水)午前1:15~1:40
(=11月17日(火)深夜)  (全国)BS1

2020/09/29

2020(令和2年)10月号

10月号表紙_convert_20200929212500
題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏

2020年(令和2年)10月号
研究  白山信仰と菊理媛 ―古典の小径139―      外村展子
尾上柴舟のうた 235        福光譲二  澤田久美子 山本光珠  
    内面客観の道をたずねて 128   石井恵美子 柳原孝子  小巻由佳子 高本澄江
                    西本光仁  野坂昭雄  吉田ヒロミ 上田勝博                     
    近現代歌人の一首〔大田美和〕 近藤史郎
    【異文化essay】33 Nobel Peace Prize(ノーベル平和賞) 田中淳子 
    佳品嘆美*145〈万葉集〉〈栗木京子〉     山本光珠  森ひなこ
作品評
再録 真樹の曙―旧号抄録160(1)(2)-
    山本康夫のノートより   
    真樹のうたびと 山本康夫/北原奈美代 
    他誌抄録 108
記   真樹サロン短歌会記 99  村上山治       
    後記                   

ご案内 -2020年10月-
真樹サロン
   日時 10月25日(日)10時~  協力
               13~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会の場合不要)
   出詠 1首を担当者 新井邦子まで(SMS可)
   締切 10月15日



山本康夫の歌
水煙は塔の上よりおろされて天女乱舞の像見極むる
まなじりの切れ細くしてなよやかにみ手に珠もつ吉祥天女
この絵図を幾年われの見欲りけり袖引き立たす吉祥天女
はづみくる息は堪へつついにしへの仏足石に眼(め)をよせゐたり

              『槙の実』(昭和二十八年刊)―「薬師寺」(昭和二十五年作)

20首抄(2020年9月号より抄出)                                  
セザンヌが飽かず魅せられし妖 ((あや)しさは夏の朝焼け白い山肌  佐藤 静子
青やかな衣一枚身にまといあのうぐいすのうたを聞きたし        鈴木 敬子
一時間ペダル踏みきたる境内は桜満開来てよかりけり          高見 俊和
わが庭の山椒の新芽食べつくし華やかに飛ぶ初夏の揚げ羽は     豊田 敬子
真っ白な塩載する島はその重み耐うや古里のその三つ子島      中元芙美子
あたたかき風吹きおれば戸を開けて風の道得て中で本よむ      延近 道江
ほおづえつくカフェの窓辺にアンブレラ右に左に白ゆく赤ゆく      畠山 清子
ちそをもみ赤く染まれる手をふきて古きメモ書きまた参照す       廣田 怜子
畑すべて猪よけの網の中暮らしの不自由一つ増えたり          松尾 美鈴
コロナ禍に籠りてブーゲンビリヤをと絵皿に試す花びらの色      水田ヨシコ
気がつけばこの世は山と谷あるか谷深むほど澄みし水湧く       森 ひなこ 
夢の断片つなぎてゆけば恐ろしきマザーグースの詩のごとくなる    森重 菊江
キジバトの縁側近く寄りくるにその目するどしジュラ紀をひそむ      新井 邦子
夕暮れに花好きの友の家に寄り山あじさいの可憐さをみる        岩本 淑子
終活を進める端からふつふつと物欲わいてバーゲンへ駆る       大越由美子
水槽に鉛筆魚(ペンシルフィッシュ)は斜めなり天を仰ぎて何を恋いる  大瀬  宏
ウイルスが猛威をふるい子と子との経済格差またも広がる        岡田 寿子
うず高く柿もみかんもあふれんばかり輝きてあり店員せわし       川口 浩子
戦いに死にたる人も生き抜いて国を造りし人も尊し            小畑 宣之
きさらぎゆ弥生へうつる夜の闇に息あつく鳴くきじばとの声        近藤 史郎
2020/09/06

2020(令和2年)9月号

9月号表紙_convert_20200906131021
題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
9月号表2_convert_20200906131742
2020年(令和2年)8月号
☆研究  □女化神社   -古典の小径138 ― ...外村展子
□尾上柴舟のうた234         ‥‥ 近藤史郎 岡田寿子 山本光珠  
     □内面客観の道をたずねて127     ‥‥大垰敦子 澤田久美子 村上山治 川口浩子
                          月原芳子 廣本貢一  吉田征子 勝地健一                      
     □近現代歌人の一首【桑原正紀】   ‥‥新井邦子
     □【異文化essay】32  ball room dance   ‥‥田中淳子 
     □佳品嘆美*144〈万葉集〉〈斎藤茂吉〉   ‥‥山本光珠 大瀨宏
☆作品評
☆再録  □真樹の曙―旧号抄録159(1)(2)-32
       山本康夫のノートより   表見返し
       真樹のうたびと  山本康夫 大森保平 裏見返し
     □他誌抄録107
☆記   □真樹サロン短歌会記 98       ...田中淳子       
     □後記

ご案内 -2020年9月-
真樹サロン
   日時  9月27日(日)10時~   協力
                 13~15時  短歌会
   会費 500円(10時からの来会者は不要)
   出詠 1首を担当者 福光譲二まで(SMS可)
   締切  9月15日

     
 20首抄(2020年8月号より抄出)
一冊の教科書にさえ触れぬまま生き来し我の続く足跡         木村 浩子 
再開すと短歌講座の電話受け忘れいしものよび起こさるる       小巻由佳子
ジャカランダアフリカは遠く夢の島の押し花にして男(お)の子より来る   佐藤 静子
福豆を母と撒(ま)きゐし日を遠みわが撒く声は闇に吸はるる        澤田久美子
静心もちえぬコロナのウイルスが人の口過ぎ根こそぎ狂わす        龍野日那子
庭の辺にマロニエの花咲く日こそ心はパリのシャンゼリゼへ飛ぶ     田中 淳子
いしずえは「内面客観」ストイックにひた向きにあらば悔いはなからん   月原 芳子
レジの列ゴホット咳(せき)するひとのいて列がわずかに左右に揺れる   長嶋 彰子
何事も考えず行く散歩道もうここなのかの瞬間がる          西本 光仁 
荒畑に無断侵入の麗春花コロナにめいるわれ見入りたり        濱本たつえ
介護士のことば色もち心秘む「ホタルの里」に老いら黙せり      松井嘉壽子
霧雨にふくらむつぼみうながされ絹布のような白牡丹開く       松永 怜子
レシピ見つつフレンチトースト作るなり自粛の続く余寒の朝(あした)  宮﨑 孝司
顏半分マスクで隠し街ゆけば盗人(ぬすと)の心ひりひりとわく      森 ひなこ    
重力を感じさせつつ昇りくるスーパームーンの白き自意識       吉田ヒロミ
いつの日のわが表情をおもかげとなしてし君は生きたまいけん     有本 幸子
楊貴妃は身を投げしかな一夜へて苔(こけ)著(しる)き上(え)へ牡丹の落花   石井恵美子
階段に日を浴ぶる蛇一本の孤独を畏(おそ)れきびすを返す       上田 勝博 
水無月の曇天に咲く花菖蒲その紫が憂いを払う              宇田 文子
「クラスター」の客船にいしはあの人と実(まこと)しやかに噂(うわさ)とび交う  大越由美子






2020/07/25

2020(令和2年)8月号

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題字 尾上柴舟  表紙 武永槙雄「南無佛太子像」

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 20首抄(2020年7月号より抄出)
疑いの雨に打たれし蝙蝠の涙かわく日われは祈らん          大瀬  宏 
高卒時中之島前ダイビルの姿にあこがれ就職しけり            大森  勝
病との壮絶なりし戦いを短歌の旗にかけぬけし友             勝地 健一
十六歳の心のままに長生きをいたしておりと告げたし母よ         木村久仁子
しなやかに生きてみようと決めし日の椿つらつら此方(こちら)に向きぬ   笹田四茂枝
メンテナンスにブルーシートかけ春陽(はるひ)受くステンドグラスめく二階窓     佐藤 静子
たまきわるいのちこの星の上にありわれも人なり彼も人なり       隅出志乃惠
雨きのう降りて水かさ増す川の波打ち際に花筏(いかだ)揺る       中元芙美子
コロナにて静まりかえる団地にて郵便車ひとつそっと来る春       鍋谷 朝子
とりどりの生花と見ゆれ水不要とガラスの中にいつまで持つや      平本 律枝
死ぬ前に慌てぬためのレッスンワンついのすみかに品持ち込まず     福光 譲二
受話器よりささやく声の漏れきたり後藤姉一言アリガトウのみ      古澤 和子
育苗機ゆ出したる白き乳苗は黄金の稲穂の力ひめいる         松尾 美鈴
しろかもめ一直線でおりて来るそのスピードにかたずを飲めり     的場いく子
「真樹」誌の旧号並べその歌に読み入りて知る後藤祝江氏       水田ヨシコ
美(は)しき心持ちてコロナに真向えば美しき菌にと変わりはせぬか    森重 菊江 
色づけるさくらんぼの実は小(ち)さき実を振り落とし降り落とし太りてきたり    守光 則子
洋車(ヤンチョ)ごとマイナスイオンに包まれて京都嵯峨野の竹林(たけばやし)ゆく   山本 真珠
スーパーにマスクし忘れて入れれば罪人のごと人目集まる       山本 全子
「祝」を名につけしみ親に抱かれて今こそ友の眠り安らけし      吉田 征子 


2020/07/06

2020年(令和2年)7月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
7月号 表2_convert_20200725161950


2020年(令和2年)7月号
☆研究 □遊行上人   -古典の小径136―...外村展子
      □尾上柴舟のうた232       ‥‥岡田寿子 近藤史郎 山本光珠 
      □内面客観の道をたずねて125    …大垰敦子 澤田久美子 村上山治 川口浩子
                         月原芳子 廣本貢一 吉田征子 勝地健一
    □近現代歌人の一首(松村正直)   … 森ひなこ
      □【異文化essay】31SDGs (持続可能な開発目標)…田中淳子             
      □佳品嘆美*142〈万葉集〉〈島木赤彦〉…山本光珠 宮崎孝司
☆作品評
☆再録 □真樹の曙―旧号抄録157               
     山本康夫のノートより              表見返し
     真樹のうたびと   山本康夫 壽岡里容     表見返し
     □他誌抄録105 
☆記  □真樹サロン短歌会記96         中村カヨ子
     □後記
ご案内-2020年7月—
  真樹サロン
   日時 7月26日(日)10時~  協力
             13時~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会者は不要)
   出詠 1首を担当者 福光譲二まで(SMS可)
   締切 7月15日


山本康夫の歌――2020年(令和2年)7月号
時くれば成りてうれつつトマトの実この旱(ひでり)にも汁したたらす
朝畑に立ちてもぎ食ふトマトよりしたたる汁は手を伝ひ落つ
本降りとなれる雨かもよろこびの心をゆりて今宵眠れず
降り足らふ雨の音かもかはきしるきわが畑も雨をむさぶり吸はむ
降り足りて黒くうるほふ畑土に力のかぎり鍬うちおろす
『麗雲』(昭和二十二年刊)――土とともに(昭和十四年作)
☆追悼録
 後藤祝江氏追悼    水田ヨシコ 古澤和子  勝地健一
                吉田征子  石井恵美子 山本光珠
                新井邦子
  20首抄(2020年6月号より抄出)
古き文の「あいたいですね」の温かき文字に揺らぎぬ今の心は     吉田ヒロミ 
たからものひとつ消えにけり仰ぐもの真直(す)ぐであることくれしあすなろ     吉山 法子
「いのち一ぱい咲く」と詠みたるかの子思う一樹に耀(かがよ)うさくら仰ぎて    米田 勝恵
ウイルスに占領されし地球の上(え)にスーパームーンはこうこうとあり   榎並 幸子
不確実な明日に向き合うコロナ鬱(うつ) 満山の桜をセーターに編む    大垰 敦子
在りし日に夫と仰ぎし八重桜ひとり見入りてあれば舞い散る      大津タカヱ
コロナにて行事にわかに変われども卒業生には延ばし代なし      岡田 節子
リバイバル映画のなかに時をみる隣の席を空けたままにて       勝地 健一
つばめらの孤を描く空眺めつつ低く草引くコロナ禍の春        金尾 桂子
樹(き)のごとくなりたきわれもほぐれゆく羊歯(しだ)の胞子も月夜のものよ  黒飛 了子
平行線たどるばかりの言ひ合ひにやうやく妥協が割り込みてくる      廣本 貢一
四時起床昨日の夢は今日となる地球が回る速さのなかで          佐々木孫一
積む本のあれば心の安らぎぬ腕(かいな)とられて身を沈めたり       笹田四茂枝
いずこなる庭に沈丁花は香る御(み)寺の知らせを配りゆく道        高本 澄江
久々に庭に出(い)でたるイタチの子我と目が合い葉かげへ速き       永井 妙子
「アララギ」の歌詠み人(びと)の大叔母の歌集『葦の間の川』詠み継がん  中谷美保子
ため息の沁(し)みる独り居 氷雨ふる夜は思い出に抱(いだ)かれ眠る     中村カヨ子
文を書き詩に転じまた山多き短歌の道にまぎれ歩めり           鍋谷 朝子
一肌ぬぐことはよそでもできるとも生まれたここで大決心する       的場いく子
四肢麻痺 (まひ)の回復いかに妻はただリハビリに励む笑顔とともに     村上 山治

2020/05/30

2020年(令和2年)6月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏
6月号 表2_convert_20200725160809

2020年(令和2年6月号)
☆研究 □今ハ遊ブ極楽界ノ中ノ風ニ-古典の小径135―  …外村展子
□尾上柴舟のうた231               …福光譲二 澤田久美子 山本光珠  
□内面客観の道をたずねて124          …石井恵美子 柳原孝子 小巻由佳子 高本澄江
                             西本光仁 野坂昭雄  吉田ヒロミ 上田勝博                 
□近現代歌人の一首【上村典子】         … 近藤史郎
□【異文化essay】30 infection(感染症)   …田中淳子
□佳品嘆美*141〈万葉集〉〈窪田空穂〉       …山本光珠 吉田征子
☆作品評
  
☆再録 □真樹の曙―旧号抄録156(1)(2)
    □山本康夫ノートより……        表見返し
    □真樹のうたびと  山本康夫 廣兼伸樹 表見返し
    ◇他誌抄録― 104
☆記  真樹サロン短歌会記95            …岡田寿子
    合同歌集第九集「律動」より
    後記
ご案内- 2020年6月—
  真樹サロン
   日時 6月28日(日)10時~  協力
             13時~15時 短歌会
   会費 500円(10時来会者は不要)
   出詠 1首を担当者 福光譲二まで(SMS可)
   締切 6月15日


山本康夫の歌――2020年(令和2年)6月号
戦争の世も飢餓の世も越えて来ぬ無残はわれの歌に証して
生きいること身にしみて思う日頃なり苦難の極み越えて幾年
血を血もて洗う世界のさま知ればわれらが平和われら死守せん
戦争に身体酷使して還りたる友らつぎつぎに病みて死ににき

 『山本康夫全歌集』(昭和六十三年刊)――劫火を越えて(昭和五十五年作)

20首抄(2020年5月号より抄出)
墨色のよきを覚えて筆運ぶ集中続く朝光(かげ)の窓           水田ヨシコ 
四十雀の影の消えたる巣をみれば体毛と苔(こけ)のゆりかごにして    新井 邦子 
命終に思いおのずと及ぶときひとりの人のまなざしかえる       有本 幸子 
まろやかな香りのワインを含みつつ遠き人思い夜の更けゆく      岩本 淑子
大炉にて亭主の点前進む中そこはかとなく「瑞雲」香る        宇田 文子
夫はその母と同じき病なり胎内被曝の苦しみの道           榎並 幸子
薬害でナースに近き部屋となる夫の様子をそっと覗(のぞ)きぬ      岡田 節子
裏庭のラッパ水仙咲きさかり探し物の日ひとり芝居めく        折口 幸子
寒昴(すばる)傾斜の尽きてわが思う母の浄土も凍りてあらん       近藤 史郎
闘病の長きを数えこよいまた院の壁見て人生耐えん          佐々木孫一
「ぐらしか」とおくに訛(なま)りを重ねつつ『苦海浄土』よ哀切深し  滝沢 韶一
シンボルの朱(あけ)の鳥居は補修中鹿ももの憂げウイルス禍にて     竹添田美子
空曇り舞い散る小雪にメキシコ人声あげて日本の冬を愛(め)でたり    田中 淳子
この春の時世を照らす玉響(たまゆら)の薄紅いろよ花明かりなり     出木 麗珠
青空にぐんぐん伸びし飛行雲を受験生の孫素早く写す         豊田 敬子
長々と達磨(だるま)大使に祈りいる友の胸ぬちしみて思おゆ       中村カヨ子
平成が令和にかわりしその年に夫は令和を知らず逝きけり       難波 雪枝
ぐつぐつと煮立ったあとの上澄みはとりてさやかな言葉を選ばん    西本 光仁
遠目にもあれよあれよとふたもとの梅の咲きゆく紅が映ゆ       廣田 怜子
目を細め紫煙の向こうに乗り出してとつとつと語る君がいたりき    古澤 和子


2020/05/01

2020年(令和2年)5月号

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題字 尾上柴舟 表紙 大瀨 宏

2020年(令和2年5月号)
☆研究  □遠州小夜中山之古跡 -古典の小径134―  …外村展子
□尾上柴舟のうた230          ‥‥ 近藤史郎 岡田寿子 山本光珠  
□内面客観の道をたずねて123     ‥‥ 大垰敦子 澤田久美子 村上山治 川口浩子
                       廣本貢一 上脇立哉  吉田征子 勝地健一                 
□近現代歌人の一首【近藤芳美】      ‥‥ 新井邦子
□【短歌時評】23 真樹について今思うこと‥‥ 村上山治 
□佳品嘆美*140〈万葉集〉〈斎藤茂吉〉  ‥‥山本光珠 大瀨宏
☆作品評
  
☆再録  □真樹の曙―旧号抄録155
□他誌抄録103
☆記   □真樹サロン短歌会記 94      ・・・福光譲二       
□後記  
□真樹賞・真樹奨励賞・康夫賞・年度賞応募要項
     □ピクチャ便り♠13猿猴川河畔の桜

山本康夫の歌  2020年(令和2年)5月号
工業地帯に汽車は入りしか暁をすでにトラックの往来はげし
旅の夜のちさき聖餐つぎ合いてグラス合わすればカチリと音す
川端の宿にめざめし目にしみてしらじらと夜明けの風の入りくる
流行の生地掛けられてマヌカンの醜女に映ゆる宵の灯明り
みやげ物売り場の少女声清く人住むところこの憩いあり
海に向かうホテルの窓の一せいに輝きそめて日は生れんとす

『山本康夫全歌集』(昭和三十九年刊)―「旅に拾う」(昭和三十七年作)

    20首抄(2020年4月号より抄出)
日焼けせし障子貼り替え迎えたり初日の光奥まで入りぬ        濱本たつえ
孟宗竹惜しみつつ切りし涙目に椿三本(もと)の落花が見ゆる       松永 玲子
「萬年青樹綴新花」と書名の意に合う漢籍の引かるる後記       柳原 孝子 
いとこたち去りて土産の早桜、幾種もの菓子に居間は華やぐ      山本 真珠
なにゆえに恐れをなすか野良猫は私の視野から猛ダッシュせり     山本 全子
山茶花をこよなく愛(め)でしを語りいし母すでにしてその母のもと   吉田 征子
ミサイルも災害もなき天界に奏でる星のきらめくリズム        米田 勝恵
ふときざす悲哀を胸に街ゆけば行きかうものみな淡き影ひく      大瀨  宏
夕暮れの駅へ急ぐは誰が待つ七階の窓にストーリーを読む       岡  暘子
いろり端「ひとり鍋」して煮つまれり位牌(はい)が並ぶ仏壇の前に   勝地 健一
「新(あらた)しき年の始め」と書き初めし里の社に掲げられたり    川口 浩子
十和田湖に紅葉の大木枝のばし自(し)がうれしみを映せるごとし    木村久仁子
病室のベッドに臥(ふ)せる母の目に何か宿りてわれを凝視す      黒飛 了子
雪道を二百五十キロ走り来て風呂に入れば眩暈(めまい)を覚ゆ     小畑 宣之
くりやにて手伝う身には分かねども千姫顕彰会は和き気配す      小巻由佳子
過ぎきたる日々の良きこと留め置きて心静かに春を飾らん       鈴木 敬子
常(とこ)しえに望郷の思い消えざらん春夏秋冬帰しては足らう     龍野日那子
手入れよき花を見おればおのずから花の精にぞ引き込まれゆく     富田美稚子
苦の多き母はも歌を詠みつぎけり歌にすくわれし母の一生       永井 妙子
もう話すことのない母その部屋にとけ入るような冬の夕焼け      長嶋 彰子   


2020/03/22

2020年(令和2年)4月号

真樹2020.4月号表紙
題字 尾上紫舟 表紙 大瀨 宏

2020年(令和2年4月号)
☆研究  □美男で裕福な人   -古典の小径133― ...外村展子
□尾上柴舟のうた229         ‥‥澤田久美子 宮﨑孝司 山本光珠  
□内面客観の道をたずねて122     ‥‥石井恵美子 大垰敦子 高本澄江 西本光仁
                          吉田ヒロミ 野坂昭雄 勝地健一 上田勝博                     
□近現代歌人の一首【蒔田さくら子】   ‥‥近藤史郎
□【異文化essay】29  solar power   ‥‥田中淳子 
□佳品嘆美*139〈万葉集〉〈斎藤茂吉〉   ‥‥山本光珠 大瀨宏
☆作品評
☆書評  □尾上兼英著『中國小説史研究序説』  ‥‥山本光珠  
□筒井早苗歌集『椿は咲きて』     ‥‥新井邦子
□和嶋勝利歌集『うたとり』      ‥‥森ひなこ
☆再録  □真樹の曙―旧号抄録154(1)(2)(3)(4)-
□他誌抄録102
☆記   □真樹サロン短歌会記 93       ...新井邦子       
□後記

ご案内 -2020年4月-
真樹サロン
   日時  4月26日(日)10時~   協力
                 13~15時  短歌会
   会費 500円(10時からの来会者は不要)
   出詠 1首を担当者 新井邦子まで(SMS可)
   締切  4月15日

 
山本康夫の歌―2020年(令和2年)4月号
うから率て大隅・薩摩とめぐりゆく花呼ぶ春の雨の一日を
行くところ溶岩地帯 昔より火噴きつづけし大隅・薩摩
はるばると来たりて巡る今日一日錦江湾はおおにけぶらう
みんなみの島は三月すでにして山の中にも桜まさかる
長崎鼻へ走り降りゆくそのかみの地が噴き上げし溶岩の上
天草の十三仏岬に立ちつくす果たてに大陸も見ゆる思いに

『山本康夫全歌集』(昭和六十三年刊)-大隅・薩摩(昭和五十五年作)

  20首抄(2020年3月号より抄出)
巨星墜(お)つバーミアンにはみ仏在(ま)さず非情なる弾(だん)誠を砕く  中谷美保子
夕茜(あかね)を背景にして黒く浮く竹やぶのなか雀かしまし       延近 道江
見渡せば紺碧(ぺき)の空に雲もなしこのもとをとて杖(つえ)をつきゆく  平本 律枝
中村医師死すとも用水路は生きて流れて幾万の人を養う        松井嘉壽子 
増えきたるあわ立ち草はおのが世を誇るがに立つこの荒れ畑に   松永 玲子       
葉の裏の赤きに戦禍偲(しの)ぶなりベトナム原産なる青紫木(せいしぼく)  宮﨑 孝司
縮景園のソテツにコモを巻く人よ木々への愛をその背に見せて     村上 山治
一帯をもみじは緋(ひ)色にうめつくしわれの無礼をおぎないくれぬ     吉山 法子
国ゆずりの稲佐の浜の砂を踏む今し落日海色七重           石井恵美子
「瑞穂」なる地の改名を道祖神に問う者もなく変わり果てしか     上田 勝博
背の高きクレーン二基立ち大手術するに似て炉の解体進む       上脇 立哉
乙女子にほほえみもらいお返しは周囲をはばかり笑顔で応ず      宇吹 哲夫
不足とうボルトとナットは東京へオリンピックへこぞりて進む     大越由美子
胡子堂の由来を知らぬ若宮司祝詞を終えて愛想(あいそ)よく去(い)ぬ   岡田 寿子
卒寿なる母の手いつか白くなりぬ「きれいになった」と言えばかなしき  金尾 桂子
何もなきことこそ幸と言いしこと それより私は不幸になりぬ      木村 浩子
冬至来て夜がおもむろにこれからは無くしてゆかむ優越感を       廣本 貢一
行く先も決めず連れ立つ人もなき各駅停車の旅に出(い)でたし      澤田久美子
満月に負けじと明かり放ちゆく部活帰りか夕暮れの土手        髙見 俊和
夕陽(せきよう)は炎となりてまともなるビルのガラスに今日も沈みぬ  月原 芳子


2020/03/02

2020年(令和2年)3月号

02022501_真樹2020.3月号表紙_convert_20200302153520
題字 尾上柴舟 表紙 大瀬 宏
2020年(令和2年3月号)
☆研究  □歌題の本意   -古典の小径132― ...外村展子
□尾上柴舟のうた228         ‥‥近藤史郎 岡田寿子 山本光珠  
     □内面客観の道をたずねて121     ‥‥柳原孝子 澤田久美子 村上山治 川口浩子
                          廣本貢一 上脇立哉 吉田征子 勝地健一                     
     □近現代歌人の一首【小島ゆかり】    ‥‥森ひなこ
     □短歌時評 22  「不易流行」     ‥‥宮﨑孝司 
     □佳品嘆美*138〈万葉集〉〈斎藤茂吉〉   ‥‥山本光珠 大瀨宏
☆作品評
☆書評  □大友清子歌集『すゑひろがり』    ‥‥岡田寿子
     □島 晃子歌集『天上の森』      ‥‥新井邦子
     □立木節子歌集『紡ぎし言の葉』    ‥‥岡田寿子
☆再録  □真樹の曙―旧号抄録153-
     □他誌抄録101
☆記   □ピクチャ便り♠⑫ 「真樹」を、どうぞ
□真樹サロン短歌会記 92        ...上田勝博       
     □後記

ご案内 -2020年3月-
真樹サロン
   日時  3月22日(日)10時~   協力
                 13~15時  短歌会
   会費 500円(10時からの来会者は不要)
   出詠 1首を担当者 福光譲二まで(SMS可)
   締切  3月15日

 
山本康夫の歌―2020年(令和2年)3月号
春霞む大和盆地を見渡して小高き草の丘に昼餉す
線彫りの釈迦の豊けき表情に千余年のかみのこころ通いく
山の辺の道ゆきゆけば纏向の弓月が岳は霧とざしたり
山の辺の道歩み来て石の上布留の宮居は蒼茫と暮る
密林の暮れづく中に石の上布留の宮居は浄く古りたり
『樹の遠景』(昭和五十四年刊)-山の辺の道(昭和四十八年作)

 20首抄(2020年2月号より抄出)
冬の日をそびら一面に浴びながら草抜くわれも神の子ならん      滝沢 韶一
ここちよく澄みたる朝(あした)しずかにも花芽ひらきて無言の主張   富田美稚子 
夕焼けにタイワンフウ映ゆ居並ぶが炎のごとく陣中のごとく      中元芙美子
のきに干すべっ甲色の柿の実よひとつひとつに秋日の魔法       廣田 怜子
ほそりゆく孤独な余生さむけれど歌を詠む時二人となりぬ       松井嘉壽子
体力のありてこそなり夢描き続けんとして険しき書道         水田ヨシコ
葉の落ちて枝影淡き庭に見る遠く黙して春を待つ山          宮﨑孝司
あの暑さあの雨のさま消えて今朝立冬を知る隠しき部屋に       村上 山治
魂をゆさぶられいぬ絶ゆるなく伝えられ来し荘厳の儀に        吉田ヒロミ
うす日さす秋の苔(こけ)道訪(と)いゆけば滝の瀬音の澄みてわれ呼ぶ   吉田 征子
床の間の名号の軸を収めつつかなしみの階一つ越したり        米田 勝恵
深み行く秋の空気を震わせて単線ジーゼル北さして行く        石井恵美子
御大礼奉祝行事の祝宴にわれも出(い)でたり遠石の宮に         岩本 淑子
秋風にラムを一杯キューバ産ハバナクラブにこころ燃やさん      大瀨  宏
「初大師」正月三日のダルマ市に人にもまれて達磨(だるま)求めつ    大垰 敦子 
脳裏をかすむ『宇宙樹』『果樹林』『音楽樹』(おんぎょうじゅ)
いま『青樹林』わが宝なり                     大津タカヱ
台風に備えよと子にメールして夢にし見たり食パンの山        岡田 寿子
九年間共に学んだ翁(おきな)なり多くは語らず秋の日西へ        岡畑 文香
負いきれぬ責任感の疎ましく吐息つきおり孤独なる時に        木村 浩子
明日とう日宙に掲げて生きんかな透徹したり今(こ)宵の月に       笹田四茂枝